高校二年生の詠美は毎朝、母親に首を絞められながら目を覚ます。母親の殺意を受けながら居場所の無い日々を送る詠美の前に現れた彼。詠美は母親の恋人に恋をして、彼との未来のために母親を殺した。嬉々として母親殺しを報告した詠美を、彼は冷たく切り捨てる。駅のホームで投身自殺を図ろうとした詠美は、家出少女の麻里子と出会う。麻里子は詠美に「死んだらダメだよ」と言った……。
喫茶店の伏線が露骨すぎて、序盤から早々にオチが判ってしまうのが残念。薄々予想できるとかいうレベルではなく、「この伏線が来たら、オチはコレ」と決まっているのですね。それくらいテンプレそのまんまな伏線なのです。そもそもオチ自体がよくあるものなので、こういったありがちなオチをどんでん返しとして持ってくる場合は、伏線にはより一層気を配る必要があると思います。終盤で唐突に登場した[探偵]が詠美に「学校へ行って友人を作ろう、恋をしよう」みたいな綺麗事を並べて爽やかに「fin」となっていますが、クラスで蔑まれて孤立している詠美の現状からすると、なんだか空々しく聞こえますね。この作者さんの文章やセンスなどは好きなのですが、今作はやや残念でした。 |