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アリスは鳥籠
【HP】偽書[香津宮綺譚] 【対象】15推 【ジャンル】サイコミステリーノベル 【プレイ時間】2時間 【容量】40.1MB 【ツール】吉里吉里2/KAG3 【更新日】2008/10/2
高校二年生の詠美は毎朝、母親に首を絞められながら目を覚ます。母親の殺意を受けながら居場所の無い日々を送る詠美の前に現れた彼。詠美は母親の恋人に恋をして、彼との未来のために母親を殺した。嬉々として母親殺しを報告した詠美を、彼は冷たく切り捨てる。駅のホームで投身自殺を図ろうとした詠美は、家出少女の麻里子と出会う。麻里子は詠美に「死んだらダメだよ」と言った……。
喫茶店の伏線が露骨すぎて、序盤から早々にオチが判ってしまうのが残念。薄々予想できるとかいうレベルではなく、「この伏線が来たら、オチはコレ」と決まっているのですね。それくらいテンプレそのまんまな伏線なのです。そもそもオチ自体がよくあるものなので、こういったありがちなオチをどんでん返しとして持ってくる場合は、伏線にはより一層気を配る必要があると思います。終盤で唐突に登場した[探偵]が詠美に「学校へ行って友人を作ろう、恋をしよう」みたいな綺麗事を並べて爽やかに「fin」となっていますが、クラスで蔑まれて孤立している詠美の現状からすると、なんだか空々しく聞こえますね。この作者さんの文章やセンスなどは好きなのですが、今作はやや残念でした。


白い記憶
【HP】Snowman Project(スノーマンプロジェクト) 【ジャンル】サウンドノベル(選択肢なし) 【プレイ時間】30分 【容量】21MB 【ツール】Ares 【更新日】2006/3/27
深夜の公園で真由と麻美は白い錠剤を口に含み、自殺を図る。二人はブランコをこぎながら、最後の挨拶を交わした。「おやすみ、麻美」「おやすみ真由……」 その後、真由は一人で病院のベッドで目覚める。麻美はどうなったのかと母親や医者に訊ねても、誰も教えてくれない。麻美は死んでしまったのだろうか……?
オチは超ありがちですが、その判りきっているオチを、あからさまにオチとして書いていない点は評価できます。現在と過去を交互に描きながら、ラストでイントロに繋げる構成は面白かった。意外性は皆無でしたけれども、なかなか綺麗なラストでした。ただ、システムは極悪。セーブなし。スキップなし。1ページ分のテキストがのろのろと表示されて最後にクリックマークが出るまでページ送り不可。文字速度の調節不可。クリックマークの反応も悪い。短編にもかかわらず、かなりストレスが溜まりました。


正しいゲームの作り方
【DL】3分ゲーコンテスト第13回コンテスト9位 【HP】無し 【ジャンル】ノベル(選択肢なし) 【プレイ時間】5分(+3時間) 【容量】7.53MB 【ツール】吉里吉里2/KAG3 【更新日】2007/6/23
何者かに誘拐され、マンションの一室に監禁されたスーツの青年と赤シャツの青年。部屋には二台のパソコンとCD-R、そして「解放されたくばゲームを作れ」というメッセージがあった。普段からロープレ・ツクレールでゲームを作っている“レルラー”の赤シャツ青年は、気軽にゲームを作って提出する。しかし、それらはどれも「ゲームにあらず」と記されて返却されてきた。誘拐犯が定めたゲームの定義とは……?
まずオチを言ってしまうと、誘拐犯は[かつてレルラー青年に「一本道ノベルはゲームじゃない」と批判された一本道ノベルの作者]で、今回の事件は[レルラー青年に対する復讐]だったのです。確かにツクラーさんには「ノベルなんかゲームじゃない」と言う人が多い気がしますね。それに対して本作は、時代と共に変遷してきたゲームの在り方を示し、「みだりにゲームを否定していいものだろうか」と述べているわけです。そういった内容の“一本道ノベル”を、ツクラーだらけの3分ゲーコンテストに投稿……なかなか面白い試みですね。その後、レルラー青年とノベル作者がどのように決着をつけたかは判りませんが、良い結末を予感させる終わり方で、妙にほのぼのしてしまった。どちらにも創作者として譲れないものがある。けれど、相手を頭ごなしに否定するのではなく、互いに認め合えたらいいですね。そう思えるラストでした。前半(3分)と後半(2分)の間に3時間の無為な待ち時間が挟まれているのは、3分ゲーの定義に対する問題提起でしょうか。これを3分ゲーとみなすか否か、判断してみてくださいということなのでは。一見無茶な「3時間」ですが、ゲームを終了しても時間がカウントされる、2周目以降は3時間をスキップできるなど、極力プレイヤーの負担にならないように配慮されています。『これまでのあらすじ』の「ずっと俺の入札!」に笑った。この作者さん、何気にセンスもあって手慣れている感じですが、誰なのでしょうね。


きっと正しいゲームの作り方
【DL】3分ゲーコンテスト第15回コンテスト18位 【HP】無し 【ジャンル】ノベル(選択肢なし) 【プレイ時間】8分 【ツール】吉里吉里2/KAG3 【更新日】2007/11/6
5分ゲームコンクール(略してフンゲー)に応募するゲームを完成させた主人公。その日、主人公の部屋に自称“ゲームの妖精”が現れた。妖精は勝手に非公式の一次審査を開始する。結果、主人公のゲームの順位は100人中87位。100のパラレルワールドで100人の主人公が同じアイデアを元にゲームを作った、その中で87位だという。主人公は思わぬ下位に愕然とするが……。
『正しいゲームの作り方』シリーズ第二弾。自称妖精がゲーム製作者に発破をかけて応援する短編。すぐ妥協しよう楽をしようとする主人公に、妖精は「それでいいのか?」と何度も問いかけてきます。妥協する前に知恵を絞ったのか? やれるだけの事をやったのか? 一つの作品に対して、どこまで真摯に努力できるか。ライバルは99人の自分自身。それは自分の中にある可能性。自分との戦いは厳しいですね。他人が相手なら「持って生まれた才能が違う」などと言い訳のしようもありますが、99人の自分に劣っているのなら、それは自分の怠慢の結果に他ならない。「自分に打ち勝つ努力もしない人間が、いいものを作れると思うか?」という妖精の言葉が耳に痛いです。創作活動だけでなく、日々の生き方にも通じるものがありますね。私も少し呪われたっぽい(笑) かなりストレートなメッセージなので、共感を覚える人と反感を覚える人、両極端に分かれそうです。製作者を挑発する形で鼓舞しているので、人によってはムッとくる人もいるかも。個人的には、こういった明確なメッセージは嫌いではありません。このシリーズは、今後も続くのでしょうか。もし他にも何か伝えたい事があるのなら、この調子でどんどんやってほしいですね。次回作も楽しみにしています。


Lazy Endless One Week
【HP】ProjectTNK『Berde』 【対象】15推 【ジャンル】ノベル 【プレイ時間】50分 【容量】74MB 【ツール】吉里吉里2/KAG3 【更新日】2007/8/4
高校で非常勤講師を勤める主人公(女)は、私生活では見知らぬ男たちと適当に寝る無気力な日々を送っていた。ある日、主人公は駅で「加奈」と名乗る女性に声をかけられる。主人公は何故か彼女に惹かれるが……。
ある女性の無気力で怠惰な一週間。主人公にはとことん好感を持てませんでしたし、特に何か大きな事件が起こるわけでもない(バッドエンド除く)のですが、なぜか最後まで読んでしまった。毎日の曜日タイトル表示が妙にカッコイイ。正直、これのせいで最後まで読んでしまったような気もする。微妙にオサレノベル?


それじゃあ、またね。
【HP】LUNA BLESS 【ジャンル】ビジュアルノベル(選択肢なし) 【プレイ時間】10〜15分 【ツール】吉里吉里2/KAG3 【更新日】2005/7/30
嫌な夢を見ていた主人公は、電車の向かいの席に座っていた女性に声をかけられて目が覚める。暗闇を走る電車の中には、主人公と女性しかいなかった。女性は主人公に語りかける。「この路線に古くから伝わるお話なんですが、悪霊がでるそうなんですよ」
静かで優しい短編。ストーリー自体はありがちですが、雰囲気があって良い。モノクロ画像の切り替えによる演出が効果的です。初回起動時の強制フルスクリーンはやめてほしい。


終末によせて
【HP】とおくできこえる デンシオン 【ジャンル】サウンドノベル 【プレイ時間】40分 【容量】8.92MB 【ツール】吉里吉里 【更新日】2004/5/4
二ヶ月ほど前、世界の終わりが宣言された。人々は絶望し、暴動が幾度も起こったが、現在は混乱もおさまり静かになっていた。終末の日まで、あと七日……。
同じ町で最後の一週間を過ごす四人の若者の物語。淡々とした文章と音楽で、静かに進行します。ラストの締め方はとても綺麗で、清涼な余韻が残りました。ただ、「○桜水道町」「○稔」などの見出しが本文と混ざってまぎらわしい。最初は見出しと判らず、「○」が伏字か何かかと思ってしまいました。見出しはもっと大胆に、1ページ丸ごと使ったほうが良い。


It's so flogging molly
【HP】とおくできこえる デンシオン 【ジャンル】サウンドノベル 【プレイ時間】10分 【容量】6.74MB 【ツール】ADVRUN 【更新日】2004/8/23
故郷の小学校が廃校になり、もうすぐ取り壊されると聞いたシンタは、十数年ぶりに懐かしい校舎へやって来た。無人の教室で窓の外をぼんやり眺めていると、ふいに現れた小学生の女の子にジャケットを盗られてしまう。逃げ回る女の子を追いかけて、シンタはなぜか鬼ごっこをする羽目に……。
飾り気の無い文章で読みやすく、読後感も爽やかです。ただ、結局あの女の子は何だったのだろうか、という気も。てっきり何かオチがある(霊か残留思念の類)だろうと思っていたので、何も無く終わって肩透かしでした。


MONOCHROME
【HP】NOSTALGIC GARDEN 【ジャンル】ノベル 【プレイ時間】15〜20分 【ツール】LiveMaker 【容量】23MB 【更新日】2007/8/29
松葉皓平は面倒臭がり屋で冷めた小学五年生。夏休みに一人で田舎の祖父の家へ向かう途中、電車で不審な子供と相席になる。子供は皓平と同じ駅で降りると、大きなリュックを背負って一人で山の中へ入っていった。心配になった皓平は、思わず子供の後を追うが……。
ある夏の日を描いた青春短編。立ち絵は無く、要所でスチルが挿入されます。いちおう選択肢はあるものの、ほとんど意味の無い選択肢が多く、シナリオは概ね一本道。モノクロ中心のグラフィックで進行し、最後にちょっとした仕掛けがあります。


ねこねこ小夜曲(セレナーデ) ACT.1
【HP】娘々倶楽部 【ジャンル】朗読ノベル 【プレイ時間】15〜20分 【ツール】吉里吉里2/KAG3 【容量】35MB 【更新日】2006/9/13
お母さんとお兄ちゃんと私と黒いウサギ。母親は私たちを育てるために朝から晩まで働き通しで、兄の瞬はウサギのクロをとても大事にしていた。ある夏の日、私が学校から帰ると、クロが死んでいた。その日を境に、瞬は変わってしまう……。
文字なしの朗読ノベル。三部作の第一部。母子家庭の兄妹の小学生時代のエピソード。自分のペースで読めずにひたすら朗読を聞くだけというのは、結構長く感じますね。「私」の朗読は特に萌えボイスではなく、そのへんにいる普通の女の子がポツポツと喋っている感じ。そのわりにキャラの絵がやたらと萌え絵なので、違和感がありました。萌え絵をやめて風景画のみにするか、朗読を萌えボイスにするか、どちらかに統一したほうが良かったかも。


アメリカ物語
(配布停止) 【HP】ワードワード 【ジャンル】サウンドノベル 【プレイ時間】30分 【総プレイ時間】3時間 【容量】1.26MB 【ツール】NScripter 【更新日】2003/9/16
20世紀初頭。部落出身の礼治は差別と貧困に苦しみ、自由と成功を夢見てアメリカへの船に乗る。船で知り合った密航者の少女リンと共にアメリカで新生活を始めるが、生活は貧窮していた。ある日、場末の酒場で働いていた礼治の前に同郷の竹蔵が現れ、礼治に報酬千ドルの話を持ちかけてくるが……。
貧しい移民の青年が自由の国アメリカで成功を掴もうとするサクセス・ストーリー。展開によっては刑務所で犯されたり上院議員に犯されたりと、最悪な目に遭います。「主人公が酷い目に遭う度」は今までのワードワード作品の中で一番かも。二人のヒロインのグッドエンドを全て見ると、おまけのコメディシナリオへ。実のところ、本編よりも、このコメディシナリオのほうが清々しくて楽しめました。