- ADV・ノベル:現代ファンタジー(1) -  │HOME一般向レビューTOP


東京アリス
【HP】郷愁花屋 【ジャンル】ADV 【プレイ時間】1時間20分 【総プレイ時間】2時間半 【ツール】吉里吉里2/KAG3 【容量】67MB 【更新日】2008/9/12
同じ中学校に通う幼馴染みのありすが、ある日突然、学校に来なくなった。心配して様子を見に行った欧太は、ありすに招かれて不思議の国へ足を踏み入れる。そこは、ありすの創り出した夢の世界。ありすは今、覚めない夢を見ているという。ありすのペットの黒ウサギのクロは、ありすを夢から覚ますため、欧太に助力を請う。「欧太、オマエは何故アリスがこの国に迷い込んでしまったのかを知らなければならない。絶対に──」
『不思議の国のアリス』をモチーフとした少女の夢の世界。帽子屋、三月うさぎ、眠りネズミ、トゥイードル・ダムとディー、etc.。不思議の国の住人たちは、揃いも揃って変人ばかり。彼らのおかしな言動に翻弄されながら、前半はコミカルに進行します。ツッコミ体質の欧太と、そんな欧太にさらに冷静にツッコミを入れるクロのコンビが楽しい。夢の世界にいるありすは、ある理由で精神の安定を欠いています。彼女の機嫌を損ねるとデッドエンドへ一直線なので要注意。初めてありすにカッターでヌッ殺された時は、びびった(笑) バッドエンド後はチェシャ猫が木の上でゆらゆら揺れながらアドバイスしてくれるので、それを見るのも楽しみの一つ。後半は夢の世界の真相へ迫ります。ありすは何故、現実を捨てて夢の世界へ逃げ込まなければならなかったのか。ありすを現実へ戻すため、欧太は残酷な真実を知ることに……。エンドロールの後、[実は欧太が生きている]ようなことを暗示するクロの台詞がありますが、個人的には下手な救いは無いほうが良かった。耐えがたい辛い事実を受け入れ、それでも現実を生きていこうとするありすの決意で終わってくれるほうが好みでした。ところで結局、ピエロの正体は何だったのでしょうね。もうひとりの欧太だろうか?とか推測していますが、作品内に答えが無いのでモヤモヤしたままです。


ムに。
【HP】TRANSPARENCY 【ジャンル】チキュウ系自己完結型ノベル 【プレイ時間】50分 【総プレイ時間】1時間20分 【ツール】吉里吉里2/KAG3 【容量】7.88MB 【更新日】2008/3/6
ふと気が付くと、浩平は崩壊した世界に一人立ち尽くしていた。全ての人工物が植物に覆いつくされた緑の世界。生きた人間はおらず、代わりにヒトの形をした植物のカタマリがまばらに佇んでいる。自分が何者かすら思い出せず、ただ歩いていると、一人の幼い少女に出会った。彼女は浩平を知っているようで……?
後半に一度だけ選択肢が現れ、その選択によって全く異なる二つの真相へ分岐します。真相によって世界観も登場人物の人格や関係性もガラリと変わり、物語の解釈が根底から変化します。「愛しき日々よ」ENDはよくあるオチで、ヒト型植物の意味もタイトルの意味もこじつけっぽくて違和感が残りました。植物の意味は解るとしても、植物がヒト型である意味が無い。朝と夜の真相に関しては納得。「箱舟の使者」ENDは予想外のオチで、みかが幼い少女である理由もヒト型植物の正体もエグくて良かった。おまけシナリオ「少年Aの独白」を読むと、彼も悲しい人間だよなあと……。ラストの一行が何とも皮肉ですね。


隣人は静かに魔法少女
【HP】交信局 【ジャンル】性別超越ADV 【プレイ時間】50分 【容量】9.81MB 【ツール】LiveMaker 【更新日】2007/12/21
日夜、戦いを繰り広げる魔法少女メイプレードと悪の組織の女幹部ユーマ・エレクトロニカ。魔法少女メイプレードの正体は、30歳ひきこもりの根暗男、三ツ橋了介だった。了介の住むアパートの隣の部屋には偶然にも悪の女幹部ユーマが暮らしており、了介は彼女に恋をしていた。隣人として、敵として、ユーマと接する時間に幸せを感じていた了介だったが、正義の組織の上層部から「三日以内にユーマ・エレクトロニカを始末しなければ解雇する」と通告が下って……。
いろいろな意味でジェンダーフリーな魔法少女もの。魔法少女の正体が30歳男というだけでも凄いのですが、さらに[悪の女幹部ユーマさえも男]と判って仰天。魔法少女と悪の女幹部は[互いに男]でありながら、[相手の美少女な姿]に恋をしていたわけです。これは一体どう収集をつけるのだ?と見守っていたら、了介があまりにもぶっ飛んだ結論を出して、ひっくり返りました。えええええええ。いいのか。本当にいいのか、それで。本人たちが幸せなら別に良いのですが、カオスすぎて笑った。


生への道
【HP】個人的ページ 【DL】3分ゲーコンテスト第15回コンテスト3位 【ジャンル】ループADV 【プレイ時間】10〜15分 【総プレイ時間】1時間半 【ツール】LiveMaker 【更新日】2007/11/3
悪夢から目が覚めた。同じ悪夢を、もう何度も見たような気がする。いや、あの忌まわしい出来事は夢ではない。自分は同じ日を何度も繰り返している。今日は10月7日。俺が殺される日だ──。
10月7日に必ず殺される主人公が、生き延びるために悪戦苦闘するループもの。ループを繰り返しながら、少しずつ真相へ近付いていきます。初めに主人公が覚えているのは「身近な人間に殺されたような気がする」という曖昧な情報のみ。義妹の美雪、義母の美沙、クラスメイトの彩と佐奈。一体この中の誰が主人公を殺そうとしているのか? 最初は誰もが疑わしく思えて疑心暗鬼になりますが、まずはいろいろな方法を試してみましょう。ループを繰り返す毎に記憶が蓄積され、主人公は次第に信頼できる人たちを見つけていきます。命を懸けて主人公を守ろうとするヒロインたちの姿に心打たれました。主人公一人では10月7日を生き抜くことは出来ません。信頼できる人たちの助けを借りて、最大限の力で犯人に立ち向かいましょう。これまで大切な人たちの命を犠牲にしてきたぶん、最終ルートのラストバトルは燃えた。本作には異色な設定が隠されており、いわゆる本格ミステリーとは異なるベクトルの作品です。犯人の動機もぶっ飛んでいて推理不可能なので、ミステリー方面の期待はしないように。犯人が今流行りの[ヤンデレ]で笑った。トゥルーエンド後の穏やかな後日談に和みました。ループものとしても[異能]系ライトノベルとしても楽しめました。ただ、フラグ管理が一部おかしかったような。妹ルートを済ませていないのにトゥルーエンドへ行ってしまったので、トゥルーエンドで初めて妹と母親の[予知能力]を知って戸惑ってしまいました。エンディングリストも欲しかった。


繭の檻から見える空 アナザーストーリー (エイプリルフール版)
(配布終了) 【HP】mahirukan 【ジャンル】ADV 【プレイ時間】30分 【容量】29.7MB 【ツール】NScripter 【更新日】2008/4/24 【備考】2008.4.1限定配布
新任教師のハルキとアヤは、私立柳原学園の真実を知り、学園の是非を問う者たちと対峙し、そして再び柳原学園に戻ってきた。三年生の卒業が近付く中、ハルキはアヤのクラスのリコがシンゴに片想いしていることを知る。シンゴに声をかけられずにいるリコを見て、ハルキは何か手助けできないかと考えるが……。
2008年エイプリルフール限定ゲーム。学園中の女性たちが突然ハルキに迫ってくるお色気ストーリー! ……というのは嘘で、至って真面目な番外編です(騙された)。『繭の檻から見える空』シェア版の後日談で、病みっ子シンゴのその後に焦点が当てられています。話すきっかけが出来た途端、いきなり直球で告白するリコと、即答で断るシンゴに噴いた。はい、終了!と思いきや、全然めげないリコに感心しました。つ、つおい。真っすぐシンゴに踏み込んでいくリコと、そんなリコに戸惑い反発するシンゴ。シンゴの心の行方は……? シェア版は展開が駆け足すぎて付いていけませんでしたが、本作は掘り下げてほしかった部分を掘り下げてくれていて興味深く読めました。


papillon
【HP】クレナイブック 【ジャンル】戦闘SLG+ADV 【プレイ時間】1時間 【容量】7.89MB 【ツール】コミックメーカー2 【更新日】2005/2/25
綾瀬美香は国の研究施設の管理下で『ASH』と戦っている。どこからか忽然と出現して人間を襲う未知の生物『ASH』。美香はかつて『ASH』に襲われて死んだが、体内に『ASH』を埋め込まれて生き返ったのだった。ある日、いつものように『ASH』と戦った後、美香は奇妙な少女を見かける。少女は美香に「帰ってきなさい」と告げた……。
ADVパートと戦闘パートを交互に繰り返します。戦闘終了後に得るボーナスポイントを各ステータスに振り分けることで成長し、ステータスが一定の値になると技を修得します。ASHの形状がエヴァの使徒っぽくて面白かった。技使用時に挿入されるスチルも華やかで目を惹きます。特に「絶無」がイカス。シナリオ後半に明かされる真相は予想通りではあるものの、なかなか盛り上がりました。


聖夜ニ銃ヲ持ツ者
【HP】Air 【ジャンル】サウンドノベル 【プレイ時間】40分 【容量】4MB 【ツール】NScripter 【更新日】2006/2/16
受験を控えた高校生の三太の元へ、今年もサンタがやってきた。黒髪の美しい少女の姿をしたサンタは、クリスマスイブにこの世に“生じる”と、トナカイに乗って三太の家にやってくる。三太をソリに乗せて夜空を駆け、二挺の拳銃で人を撃つ──。
寂しいサンタの物語。武装したサンタが家に不法侵入して人間を撃って回る物騒な話……かと思いきや、実は切ないストーリーです。途中の展開で刀VS拳銃のバトルもありますが、物語のメインではありません。初回プレイは必ずトゥルーエンドへ到達し、再びプレイすると終盤でハッピーエンドへの選択肢が現れます。ハッピーエンドは如何にも出来すぎな“ハッピー”で、個人的にはトゥルーエンドのほうが好みでした。ちなみに原題は『サンタノ二挺拳銃』。


常世の星空
【HP】我が城です! 【ジャンル】ADV(選択肢なし) 【プレイ時間】1時間 【容量】28MB 【ツール】NScripter 【更新日】2005/11/26
学校帰りに公園のベンチで星空を眺めていた紅夜は、アルビノの少女・命と出会い、成り行きで彼女の話し相手をすることになってしまう。ある夜、紅夜が公園へ行くと、命の代わりに漆黒の少女がいた。紅い星空の下で、少女は告げる。「警告します。残り四日です──」
満月の夜に出会った少年と少女の物語。特に新鮮味のあるストーリーではありませんが、紅い夜空の神秘性やラストの締め方など、印象に残る部分は幾つかありました。命の蒼空スチルと漆黒の少女の紅空スチルが対になっているのが良いですね。立ち絵だけでなく画面左下に顔グラフィックも表示され、表情パターンは豊富です。主人公はクールで容姿端麗な万能ヒーロータイプ。この万能設定が特にストーリーに絡んでくるわけではないので、果たして必要な設定だったのかは疑問。


兎の輪舞(ロンド)
【HP】飼育小屋製作委員会 【ジャンル】SFファンタジーノベル 【プレイ時間】1〜2時間 【容量】3.9MB 【ツール】吉里吉里2/KAG3 【更新日】2004/12/26
月から地球へと降り立った六羽の兎。月夜見市に住む如月雪兎は、ふとしたことから自分の中に『人識る兎』ゼロムの意識が同化していることを知る。彼ら六羽の兎は、この星に散らばる無数の“気持ち”を知るためにやって来たという。ゼロムは最近この町で強い“力”を感じるらしいのだが……。
選択肢によって三種類のエンディングへ分岐します。ひたすらギャグで進行しつつ、基本はシリアス。トゥルーエンドでは、なかなか意外な真相も判明します。ただ、ギャグはかなり馬鹿馬鹿しくて人を選ぶような。エンディング毎にオマケ有り。


変わり神 第1話 
(配布終了) 【HP】風とヘルメスと趣味と 【ジャンル】ADV 【プレイ時間】15分 【容量】660KB 【ツール】RPGツクール2000 【更新日】2002/2/13
変わり神の力は、何かを何かに変える力。その力は病を治すこともできれば、腐った大地を生い茂る土地にすることもできる。ある日、少年いずるが道端で拾った人物は変わり神だった。いずるは、死にゆく母を助けてくれと変わり神に頼むが……。
ラストのオチは早い段階で予想できるものの、全編を通して淡々とした哀しさ、やるせなさがあり、心に残るものがありました。