- ADV:ミステリー・サスペンス(1) -  │HOME一般向レビューTOP


ふみをやるにも書く手は
【HP】セルピエンテ 【DL】不可逆方程式 【ジャンル】ノベル 【プレイ時間】50分 【ツール】吉里吉里2/KAG3 【容量】146MB 【更新日】2008/7/28
三ヶ月前の合コンで会ったという「田中くん」から食事に誘われた女子大生の万里子。しかし、彼は待ち合わせに来なかった。そもそも、田中くんとやらの顔も素性も全く覚えていない。その日から、万里子の周りにおかしなことが起こり始める。過去へと戻される時間。姿を見せない田中くん。血で彩られた恋文の主は……?
「時間」をテーマにしたオムニバス『不可逆方程式』に収録されているサイコサスペンス。主人公の万里子は、男性関係にだらしのない気まぐれな美少女。アンタいつか痛い目みるよ……と心配になってしまう彼女ですが、その危うげなところに妙に惹かれたりも。プルンとしたピンクの唇に目をパチパチ瞬いて澄ましたお顔の彼女を見ていると、どうにも萌えました。女性キャラも男性キャラも色気のあるビジュアルで良い。時間が戻る不可思議な現象、謎の人物「田中くん」、可愛がっていた猫の無残な死、万里子の時間を買った誰か。前半のラストで明らかになる犯人の正体には衝撃を受けました。お前だったのか……! その衝撃も醒めやらぬうちに、犯人の手記によって明かされる更なる真相。スピーディな展開と二重のどんでん返しで、息もつかせぬ良質なサスペンスでした。“彼”の万里子への一途な想いが切ない。手記読了後、選択肢によって三種類のエンディングへ。END3「風葬」はハッピーエンドか?と思いきや、淫靡な病みエンドで満足。[ここで一言、こっそり叫ばせていただきます。近親相姦ヤンデレ最高ー!


オトナ/コドモ//ワルイコ_ダレダ.
【HP】Nightmare Syndrome 【ジャンル】サスペンスADV 【プレイ時間】2時間 【容量】33.4MB 【ツール】吉里吉里2/KAG3 【更新日】2008/1/25 【参考】攻略チャート
学級崩壊で精神を病んだ前任教師の代わりに、新しい担任のトーノがやってきた。クラスを統括している委員長のチエは、トーノには手を出さないようクラスの生徒たちに指示するが、翌日、職員室のトーノの机がボロボロに荒らされているのが発見される。チエの言いつけに逆らった悪い子は誰なのか。制裁を加えるため、チエは犯人を捜し始める……。
クールな中学生のチエと無気力な教師のトーノを操作して、犯人を割り出しましょう。かなりシビアな攻略条件となっており、少しでも無駄な行動をするとトーノが犯人に殺されてジ・エンド。難易度修正パッチを当てて何度もセーブ&ロードを繰り返し、ようやくクリアできました。
クラスの生徒八人は、いずれも家庭に問題を抱え、どこか歪んでしまっている子供たち。DVカップルのジローとカナコのDVの本当の理由を知ると、切なくなってしまった。ジローは本当にカナコの心だけでいいと思っているのか、カナコのために嘘を吐いているのか、どちらなのでしょうね。いずれにせよ、カナコの家庭の不幸も[ジローを使ったカナコの自傷]もこれからも変わらず続くわけで、痛々しい事この上ない。結局、子供たちの誰一人として問題が解決されていないのは、現実的と言うべきなのか何なのか。唯一、解決もどきの結果を出しているのがスグルのカレーというのが何とも。子供たちの身近な問題を描いていたのに、最後でいきなりぶっ飛びましたね。カレーまで行ってしまったら、もはや大人・子供がどうこうの問題ではないような。


一期一会
【HP】ReIce -second- 【ジャンル】ノベル 【プレイ時間】15〜20分 【ツール】NScripter 【更新日】2008/3/16
橋本家のメイドの雛菊は、誕生日に樹からスキー旅行をプレゼントされる。雛菊が泊まったペンションには、私立名門校のスキー部の学生たちが宿泊していた。雛菊と学生たちが談笑していると、玄関ロビーで殺人予告状が発見される。「お前の罪を味わうがいい。今夜は皆殺しだ。せいぜい残り少ない生を楽しめ」
White Epilogue』の番外編短編集「White SStories」に収録されている一編。『White Epilogue』クリア後にプレイできます。よくあるクローズドサークルのミステリーかと思いきや、いきなり目の前でドカドカ殺人が起きまくり、雛菊さえも殺され、「そして誰もいなくなった」的な状況で真犯人の入力を求められます。この答えが馬鹿馬鹿しすぎて、チラリと思いついても「それは無いだろう、それは」と無意識に避けてしまうようなものなのですが、そこを敢えて選ぶと正解に至りました。ミステリーとしては反則気味ですが、盲点を突かれたのは確か。試みとしては面白かった。


片翅の蝶
【HP】月夜見・プロムナード 【ジャンル】サスペンスノベル 【プレイ時間】50分〜1時間 【容量】47.5MB 【ツール】NScripter 【更新日】2008/1/31
双子の姉の魔子(まこ)が集団暴行を受けて自殺未遂を図り、心を失った。妹の氷子(ひこ)は姉の幸せを奪った男たちを次々と殺し、復讐を遂げていく。かつて姉妹の担任だった元教師の吉岡は、偶然氷子と再会し、彼女の復讐を知る。吉岡は今度こそ、姉妹を救うことができるのか……?
不幸な姉妹の復讐劇。なかなか読ませる文章で、スピーディな展開に惹き込まれました。立ち絵は陵辱系エロゲーでよく見かけるタイプの絵柄です。制服の奇抜なデザインも、エロゲーを連想させる一因かも。何より胸が異常にデカい。シナリオは至って真面目で硬派なのですが、どうにもヒロインの爆乳へ目が行ってしまい、気が散りました。クリア後のアフターシナリオは、シリアスな本編をぶち壊すアホな内容で笑った。本編のラストは悲しいものでしたが、アフターシナリオで楽しそうにやっている氷子を見ると、少し気が楽になったかも。


月の扉
【HP】MINARAI SUIFU 【ジャンル】ミステリーホラーADV 【プレイ時間】40分 【ツール】吉里吉里2/KAG3 【更新日】2007/6/15 【参考】攻略チャート
破産した実家を救うために資産家の屋敷へ嫁いだジェイン。屋敷で彼女を待っていたのは、一枚の肖像画だった。彼女の夫は、人間ではなく絵だったのだ。屋敷の使用人たちは理由も言わずジェインを一室に閉じ込める。嘆き悲しむジェインの元へ、ある夜メイドが訪れた。「ジェイン様、お可哀相に。ここから出して差し上げますわ……」
屋敷を探索して謎を探るミステリーホラー。10日間の行動によって6種類のエンディングへ分岐します。何も語らない使用人たち、薬のような味のするお茶、毎夜開かれる月の扉。謎多きミステリアスなストーリーで、最後に明かされる真相にも納得。ただ、シナリオは良いのに、システムが粗悪で残念。やたらとあちこちで長ったらしいウェイトがかかりまくりでストレスが溜まります。スキップはENTERキーの長押しのみ。長押しでスキップしようとしても各所のウェイトで頻繁に止まりまくるので、結局スキップになっていません。このシステムで何度もプレイするのは辛い。


Farce
【HP】一亜一 【ジャンル】ミステリーノベル(選択肢なし) 【プレイ時間】2時間 【容量】9.13MB 【ツール】吉里吉里2/KAG3 【更新日】2007/6/2
一亜彩稚(イチア・サイチ)が16歳になった日、父と母と兄と姉と弟と妹とペットが死んだ。そして現在、20歳になった一亜は、大学のサークル旅行で殺人事件に遭遇する。一亜と暁、瓜二つの顔を持つ二人が密室殺人の謎を解く──。
混沌としたファウスト系ミステリー。変人だらけのサークルで、主人公が一人でツッコミまくり。音羅の「ざわ…ざわ…」と主人公の「ウンまああ〜いっ!」(ジョジョ四部)に笑った。パロネタ多し。[主人公]の[性別誤認トリック]は気付きませんでした。[僕女]だったのか。改めて読み返してみると、わりとあちこちに露骨に伏線があったことを確認。まあ、[]だから何だという気もしますが。一番最後の「僕は女の子だから」は余計なのでは。くどい。


夏、セミ、少女
【HP】言ノ葉迷宮 【DL】3分ゲーコンテスト第6回コンテスト2位 【ジャンル】ADV 【プレイ時間】3〜5分 【容量】7MB 【ツール】吉里吉里2/KAG3 【更新日】2005/10/15
公園を歩いていた西東(さいとう)は、小此香(ここのか)という奇妙な少女に声をかけられる。小此香は「夏は初めてだから案内してほしい」と西東に頼むが……。
最後に一つの単語を入力する必要があり、正解するとトゥルーエンドへ。シナリオ内に散りばめられた情報を元に推理して、答えを導き出しましょう。一回間違う毎にヒントが出て、合計五個のヒントがあります。一番最後のヒントは答え同然ですので、さすがにこれで解らない人はいないでしょう。ひねくれずに素直に考えた場合、やはり皆、アレには騙されるのでは? 別れ際の「助けてくれてありがとう」があざとい(笑) とはいえ、真相自体は別に大したものではなく、妙な先入観さえ捨てて読めば実は単純というか、そのまんまなのですね。適度に疑う心を持っていて勘の良い人、もしくは[徹底した現実主義者]なら、プレイ一回目で正解できるかも。ちなみに私は三回目でクリアしました。「道しるべ、又は」のちょっとした仕掛けが良い。


死に至る病
【HP】■サウンドノベル/死に至る病 【対象】15推 【ジャンル】サスペンスノベル 【プレイ時間】2時間 【容量】8MB 【ツール】吉里吉里2/KAG3 【更新日】2007/7/24
世界的な異常気象による食料難の時代。17歳の戸倉直希は仲間たちと共にスーパー襲撃を繰り返し、飢えを凌いでいた。そんなある日、街で暴動が起こり……。
第一回チュンソフト小説賞のミステリー・ホラー部門で奨励賞をとった作品をノベルゲーム化したとの事。街の暴動から監獄へ、監獄から病院へ。病院へ移ってからが本番で、患者たちの不可解な死を巡り、緊迫感のあるサスペンス仕立てになっています。もし自分が主人公と同じ状況に陥ったら……と、つい考えてしまいますね。主人公の敵にあたる[神月先生]にも、彼なりに信念があって良い。全てのエンディングを見ると「OMAKE」メニューが開き、後日談シナリオへ。一部に残酷表現・性表現あり。バッドエンド4『衝動の果て』後の「がっかりだ!」(美声)は神月ボイスなのでしょうか。笑った。


雪と手袋 - whitishsnow on a clearday -
【HP】半透明舞台 【ジャンル】ミステリーノベル(選択肢なし) 【プレイ時間】40〜50分 【容量】6.56MB 【ツール】吉里吉里2/KAG3 【更新日】2006/4/22
クリスマスの夕暮れ、霧子は大学の文芸部の先輩の晶也を見かける。寒い冬の街で、彼はなぜか愛用の手袋をしていなかった。人とぶつかった拍子に、晶也のコートのポケットから手袋がこぼれ落ちる。手袋を拾おうとした晶也は、伸ばした右手を途中で止め、かわりに左手で手袋を掴むと、そのままポケットへ戻し、何事も無かったように歩いて行った。口元に、とても優しい笑みを浮かべながら……。なぜ彼は手袋を持っているのに、はめなかったのか。なぜ手袋を拾う手を途中で変えたのか。そして、あの笑顔の意味は? 霧子は文芸部のもう一人の先輩の蒼川に相談し、晶也の手袋の謎について考える。
日常の些細な謎を巡るミステリ短編。何気に真相が二転三転するのが面白い。「可愛いオチだなあ」とほのぼのしていたら、実は更なる真相が……。○○、恐ろしい子!(白目)


青い鳥はなぜ逃げた
【HP】beautiful garden 【ジャンル】サスペンスノベル(選択肢なし) 【プレイ時間】(通常版)1時間、(完全版)1時間半 【ツール】コミックメーカー2 【容量】7MB 【更新日】2006/3/17
ホストの元山に弄ばれて捨てられた英語教師の香澄は、バーで出会った見知らぬ女と「交換殺人」の契約をしてしまう。女が元山を殺す代わりに、香澄が女の望む相手を殺す。互いに被害者とは無関係な完全犯罪。半信半疑の香澄だったが、半年後、契約通りに元山は何者かに殺害された。そして香澄のもとへ殺人を指示する手紙が届く。香澄が殺さなければならない相手──それは親友の千夏だった……。
作者さん曰く「二時間ドラマ的サスペンスを目指しました」とのこと。通常版をクリアすると、オマケで完全版をプレイできるようになります。通常版は香澄視点のみで進み、真相も謎のまま終わりますが、完全版では複数の視点が導入され、全ての謎が明らかになります。実際のところ、通常版の早い段階で犯人も動機も予想できてしまうのですが、それでもスリルのある展開で楽しめました。大筋は予想通りでしたが、[奈々子]の行動や刑事の[盗聴]など、細部ではなかなか意外な点もありました。容疑者の香澄と敏腕刑事の椛山、それぞれの思惑と行動の交差が面白い。難点は、ツールがコミックメーカーでスキップできないこと。通常版で読んだテキストを、完全版でもう一度読まされるのは辛かった。