冷界大戦争。
ある年、東京を未曾有の大雪が襲った。家々は雪に埋もれ、人々は他県へと避難した。その年の冬は後に「関東大冷界」と呼ばれた──。そんないかれた天変地異に野次馬根性を発揮した「僕」は、休日を利用して雪に呑まれた東京を見物にやって来る。その帰り道、不運にも精霊同士の争いに巻き込まれ……。
「僕」と精霊のファンタジック・コメディRPG。火の精と雪の精の戦闘現場に出くわし、火の精の大火球をくらった「僕」は、死んだ後、新しい力を得て生き返ります。火の精と雪の精が「僕」の身体に融合することで、「僕」を蘇生させたのでした。火の精霊の轟火(ゴウカ)は、大雪の原因を探るために火の国から送り込まれたエージェント。雪の精霊の氷御子(ヒミコ)は、今回の大雪の犯人である親友の「コーちゃん」を止めるために雪の国からやって来たお姫様。3人でひとつの身体となってしまった「僕」は、大雪を止めるため、雪の結界の中にいるコーちゃんを探すことに。
雑魚戦をこなしながら、マップに伸びている道を進んでいきましょう。道の各所にある「!」マークに接触すると、ADVパートに切り替わります。ADVパートは主に氷御子や轟火などとのミニ会話イベント。会話だけで終わることもあれば、発展してスキルを習得することも。スキルにはLV1〜5のランクがあり、各ランクを1つずつ装備して使用することが出来ます。どのスキルを装備するべきか、有効な技を考えて選びましょう。
2人の精霊の霊力の大部分が「僕」の身体へ移ってしまったため、氷御子と轟火は「僕」の身体から霊力を補充して力を使うことになります。具体的に言うと、「僕」が2人にEP(霊力)をせっせと送り、2人はEPを消費して攻撃・回復ということを繰り返すわけです。基本的に地味な下働きシステムですが、これがやってみると妙に楽しい。「リアルタイム・アクティブバトル」を採用されており、クルクル動くカメラワークとスピード感が爽快。敵も味方も3ターンで黄泉返ってしまう蘇りシステムもあり、ちょっぴり変わった戦闘を楽しめます。
サクッと終わる短編かと思いきや、敵が激強い。前半はそれほどでもありませんが、三匹衆のあたりから手強くなってきて、終盤になると○※△×√□。後半の戦闘は無駄に厳しいことを覚悟しておきましょう。シナリオの軽さと戦闘の難易度がアンバランス。ストーリーは終始しょうもないギャグ調で進み、ほのぼのしていて微笑ましい。可愛らしいグラフィックと、「精霊使い」ならぬ「精霊使われ」の不憫な下働きバトルをお楽しみください。
【HP】ヒガガガ本舗。 【プレイ時間】2〜5時間 【ツール】RPGツクールXP 【容量】16MB 【更新日】2005年3月19日
今の風を感じて
アレイドとティナはレフィリア教会に属する術師。ある日、二人は師エルシールにファーレン地方の調査を命じられる。ファーレンはかつて世界大戦で帝国に敗れた王国。今は帝国領の一つだが、最近不穏な動きがあるらしい。調査目的を知らされないまま、旅立った二人が目にするものは……?
ファンタジーRPG。経験値・お金・武器防具などの概念が無く、その代替となるチップシステムが大きな特徴です。世界の各所に落ちている「チップ」を集め、それぞれの能力値に振り分けることでパラメータをアップします。チップの入手には様々な条件があり、全てを集めるのはなかなか難しい。このチップはいつでも取り外しができ、戦闘によって術威力を重視したり、防御力を重視したりと自由にカスタマイズ可能です。経験値稼ぎなどの煩わしいシステムを排除しつつ、チップを集める楽しさ、キャラを育てる楽しさを融合させた独自のシステムは一見の価値あり。
戦闘は行動先行入力型のアクティブタイムバトル。先に行動を決め、行動ゲージが溜まると実際に行動に移します。敵の次の行動も随時表示されますので、こちらはそれに対して有効な行動を選ばなければなりません。適当に戦うだけではなかなか勝てず、緊張感のある戦闘を楽しむことができました。パワーゲージの目押しによって攻撃の威力が変わるため、目押しの苦手な方は少し疲れるかも。
本作は「IndeTerminatePLUS」の続編にあたります。前作を知らなくても特に支障はありませんが、作中のメニューにある「用語/人物解説」を参照すれば、この世界の理解に役立つでしょう。ストーリーの進行に合わせて同メニュー内の人物相関図も書き加えられていきますので、入り組んだ勢力関係や人物関係も解りやすい。こうした配慮は有り難いです。
心の弱い部分を隠して強気に振る舞うティナと、普段は頼りないけれど芯が強いアレイド。ファーレン地方の調査を進めるうちに、二人はやがて「魔晶石」をめぐる大きな事件に巻き込まれていきます。ファーレン王国の元王女であるティナの過去を絡めつつ、無難に手堅くまとめられていました。要所に美麗スチルが惜しみなく挿入され、グラフィック面も豪華。クセの無い安定した作品です。
【HP】アルファナッツ 【プレイ時間】6〜8時間 【容量】6.5MB 【ツール】RPGツクール2000 【更新日】2003年1月16日
異界の門番
20世紀初頭、欧州。私立探偵のアトラス・カーディナルは、魔術師が住んでいるという不気味な館を訪れる。一ヶ月前から行方知れずになってしまった弟のカーマが、消息を絶つ前にこの館を訪ねたというのだ。別件で館にやって来た友人のヘンリー・アディソンと共に、アトラスは館の主人である初老の男と会う。彼は『番人』と名乗った──。
オカルトホラーアドベンチャー。弟のことが心配でたまらないアトラスは、館のどこかにいる弟を探すことに。持ち前の霊能力と探偵技術を使い、ヘンリーと一緒に館を探索しましょう。客室や食堂などを順に調べてゆき、各場所でイベントが発生します。選択肢を誤ると、命を落とすことも。
お堅いアトラスと陽気なヘンリーのコンビが愉快で、二人の会話を追うだけでも楽しめました。アトラスもヘンリーも妻帯者で、それなりの歳なわけですが、互いに相手に踏み込みすぎず適度な距離を保っており、歳相応の友人関係が良い感じです。呑気に見えて機転がきき、気配り上手のヘンリーは実にいいヤツ。無表情の怪力メイドさんも可愛い。彼女のエピソードも、もっと見たかったかも。
本作の一番の特徴は、フルボイス。全てのシナリオ分岐を含め、登場人物全員の台詞に声が入っています。主人公のアトラスは、やや低めのバリトンボイス。ストイックなのに艶があって、美声です。演技もなかなか達者で、安心して聞けました。相棒のヘンリーは、鼻にかかった甘い声。のんびりした口調がキャラクターによく合っています。弟のカーマは、滑舌が悪すぎて聞き取りにくい。「飛び出してしまったのです」が「飛び出しでしばっだのでず」に聞こえます(カーマは花粉症か?)。語尾が早口になることも多く、何を言っているのか分かりません。メイドさんは無機質な声色で、雰囲気が出ています。ただ、声に力が無くて若干聞き取りにくい気も。正直言うと、アトラス以外は全員滑舌が気になりましたが、フリーゲームであまりうるさく言うのも野暮かもしれません。全体的にはなかなか良質で、声がキャラクターを引き立て、ゲームの一要素として成り立っていました。
ただ、カーマを探すことが目的で館を探索していたのに、彼を見つけた後も何事も無かったように探索を続けるのは気になりました。トゥルーエンドで『番人』が館の謎を全部一気に説明してしまうのも、いささか芸がありません。しかも、謎の真相が割としょうもない。地下室で○○を発見するシーンで、なぜかアトラスとヘンリーのギャグ会話が始まるのですが、これはかなり不気味でした。実験のために犠牲にされた人間と動物の成れの果てを見て、それをネタにおちょくるヘンリーも、それにウケて笑いが止まらないアトラスも、理解できません。
エンディングは11種類。トゥルーエンドを見ると「おまけ」が現れ、全てのエンディングを見ると、カーマが主役のおまけノベルを読むことができます。探索中には幽霊や怪物なども出てきますが、特に怖くはありませんので、ホラーが苦手な方でも大丈夫でしょう。クリア後も全てが解決するわけではなく、ヘンリーの一族の呪いやカーマの捜し人など、謎が残って消化不良。
【HP】N.I.P 【プレイ時間】1〜2時間 【容量】61MB 【ツール】吉里吉里2/KAG3 【備考】製作サイトに攻略あり 【更新日】2004年11月27日
無形のドルドナ 体験版
女子高教師の村瀬マモルは2ヶ月前に連続失踪事件の容疑者の疑いをかけられて自殺を図り、病院で寝たきりの身体となった。動かぬ身体で自らの死を望むだけの日々を送るマモルの元に、ソレは現れる。「新たな《観測者》よ──私を、仮定しろ」
伝奇アクションノベル。全生物を観測する神たる存在から《観測者》の任を譲渡された主人公のマモルと、観測者に仮定されることで存在を形作る《仮定生物》のアキ。マモルはアキに自分を殺してもらう見返りとして、次の観測者を探すことに。マモルの身体は病院で寝たきりのままですので、アキの身体を通して感覚を共有しながら活動することになります。仮定生物にしろ植物状態の主人公にしろ、なかなか変わった設定で面白い。
戦闘場面の華やかな演出にカットインも豊富に挿入され、グラフィックのクオリティは総じて高め。そのわりに写真背景がいまいちショボイので、落差が気になる。戦闘テキストは奈須きのこ系でしょうか。この手のテキストには少々食傷気味なところもありますが、鬱陶しいだけの勘違い装飾過多文章ではなく、普通に読めますので、それほど気にはなりません。システムは普通のNスクですが、バックログが無いのは不便。
オープニングからいきなり長々と戦闘が続くのですが、これはいただけませんでした。インパクトを与えるという点ではバトルから始める手法もアリかとは思いますが、状況もサッパリ判らないままで正体不明の人外同士のバトルを延々見せられても辛い。確かにグラフィックには感嘆しましたが、それだけでは楽しめません。イントロではまずプレイヤーを引き込むことが大事なのに、これでは逆にプレイヤーをうんざりさせてしまいます。しかも最初のバトルが終わって、まだまだ状況を把握できていないうちから、すぐさま人外バトル第二弾へ突入。くどい。
主人公はこの手の伝奇ノベルではめずらしく成人した社会人で、サイトのラフ絵を見ると渋い大人なのですが、シナリオのテキストを読む限りでは、そのへんの高校生エロゲー主人公と大差ないのが残念。特に異性に対する反応が、いい年をした大人というよりほとんど思春期男子高生です。せっかく他作品と異なる属性の主人公ですので、もう少し年相応の落ち着きを持ってほしい。何なら、主人公の渋いビジュアルを積極的に前面に出しても良いのではないでしょうか。ただでさえあちこちで似たような伝奇ノベルが溢れているので、他作品と違うところはどんどん強調すれば良いと思います。
未確認生命体に対して主人公の順応力が高すぎるのも気になりました。正体不明のものにいきなり脳に直接話しかけられ、イメージを借りたいとかわけのわからないことを言われているのに、たいしてうろたえもせずにすぐに呑み込んで「これ(日本刀)とか?」「これ(矛)はどうですか?」などと悠長なことをやっているのは凄い。
チンピラとの喧嘩のパロネタギャグは正直、滑っているような気がします。もともとコメディっぽい作品なら、もしかしたら車田ネタで笑ったかもしれませんが、今まで神だの死なせてくれだの超シリアスだったのに、いきなりこんなものを見せられても、唐突すぎてついていけませんでした。本作はあまりギャグが似合う雰囲気の作品ではないのではないでしょうか?
本編収録部分は全年齢で、本編終了後のおまけシナリオが18禁。失踪事件の被害者の女の子が触手に犯されます。あからさまに取って付けたような内容で、そこまでして「18禁」にしたいのだろうかと思ってしまいました。ですが、本編に無理にエッチを入れて物語に違和感が生じるよりは、こちらのほうが良いかもしれません。無理にシナリオにエッチを挿入して違和感ありありの作品も数多くありますので、それに比べると本編に支障をきたしていないぶん、こちらのほうがマシかもしれないとは思います。個人的には触手エロは好きですので、楽しませていただきました。ごちそうさまでした。
今後は連続失踪事件と全知全能(ドルドナ)を巡り、いろいろバトったりするのでしょうか。体験版では大まかな設定が説明されただけで、どのような物語になるのかは判りません。もう少し今後の展開が掴めるところまで収録してほしかった。今の段階ではシナリオはいまひとつですが、これからのやりようによって面白くなりそうな要素のある作品だと思いますので、今後に期待したいところです。
【HP】第四学区 【プレイ時間】2〜3時間 【ツール】NScripter 【容量】84MB 【更新日】2006年1月20日
天使の微笑
国家と歴史の闇の中に語られる称号、政府公認の最強の暗殺者 「ロイヤルフィーンド(王家の亡霊)」。その一員であるクルードは、8歳の娘のルーナと共に帝国の港町シェアルースを訪れる。暗殺の標的は、豪商エルウィン=フィーニード。全ての産業を掌中に収め、各国に武器を売りさばく悪徳商人だった。エルウィンは腕利きの傭兵たちに身辺を警護させており、彼を狙った暗殺者は全て葬られてきたというが……。
ファンタジーRPG(シェア)。前作『今の風を感じて』と同じ世界、同じ時間軸であり、別の場所での物語です。独立したストーリーですので、前作を知らなくても問題はありません。
法外な報酬と引き替えに豪商エルウィンの暗殺依頼を請け負ったクルードは、屋敷を転々と逃げ回るエルウィンを追いながら、彼の私兵たちと戦っていきます。エルウィンに雇われた7人の剣士、悪魔の指輪「A・センシズ」を狙う盗賊セイルとシーナ、エルウィンの身辺を探る近衛副長官シリア、某国の元帥アルバートと護衛のライアス。それぞれの思惑で行動している彼らとクルードの交わるところ、そして その結末は……?
娘のルーナは、明るく素直な しっかり者。いつも自分よりクルードのことを心配している健気で優しい子です。ついついルーナに甘くなってしまうクルードの親馬鹿ぶりが微笑ましい。毎朝、暗殺の仕事に出かけるクルードを不安そうに見送るルーナ。わずか8歳なのに分別があり、その歳に似合わない分別が悲しくも思えます。
闇の世界に生きる暗殺者でありながら、同時に幼い娘を愛する父親でもある。そんなクルード=クランフォードの生き様を描いた物語……を目指して作られているのは分かりますが、クルードの「暗殺者」としての面が弱く、いまいち中途半端でした。やはり現役の暗殺者でありながら不殺を貫くという設定は、ちょっと無理がないでしょうか。
最強の遣い手であるクルードに対し、エルウィンの傭兵たちは死を覚悟しながらも己の信念をかけて挑んできます。どちらかというと、ヌルい綺麗事ばかり言っているクルードよりも彼らのほうに共感できました。その一員であるカーツェル=アンスは、独特の口調で軽口を叩きながらも、その本性は狡猾で冷酷。ヒールとして、なかなか良い味を出しています。仲間をも平気で殺し利用する彼の行動により、物語にも変化が出て、それなりに面白く読めました。彼はこれからも闇で生き、そして闇で死ぬのでしょう。最後まで徹底した生き方が魅力でした。
前作同様、経験値・お金・武器防具などの概念が無い独特のシステムが採用されています。主人公は経験値の代わりに、ゲーム中で入手できるアイテム(攻撃UP・防御UPなど)によって成長していきます。レベルアップに時間をかけることなくストーリーがテンポ良く進み、一方ではサブシナリオなどの様々な隠し要素を見つける楽しさもあります。
戦闘は全て一騎打ち形式。1ターンにつき「4連撃」で構成されています。画面左上に表示されている4本のパワーゲージが それぞれランダムに増減し、Enterキーを押すと全て一斉に止まります。その値が敵より高ければ攻撃、低ければ防御となり、それに従って攻防が展開します。加えてラッシュゲージ、リミットゲージ、バランスゲージなどの要素もあり、一筋縄ではいきません。
また、攻撃の瞬間にタイミングよくEnterキーを押すことで攻防力が補助されるほか、稀に表示される必殺マークに従ってキーを押すことで必殺技が発動します。リアルタイムにキーを押しながら進行していきますので、常に緊張感のある戦闘を楽しむことが出来ました。 ただ、裏を返せば常に気を張っていなければならないということでもあり、かなり疲れたことも事実です。
自ゲージ4本と敵ゲージ4本、合わせて8本のパワーゲージの目まぐるしい動きを目で追い、タイミングを見定めてキーを押下。その後は4回の攻撃のタイミングに合わせて、それぞれキーを押下。まれに必殺マークが出たら、マークが消える前に急いでキーを押下。これでやっと「1ターン」です。これらのターンを数回繰り返して やっと雑魚兵を一人倒せるわけで、さらに全員倒すまで、これらを何回も繰り返します。そうやってずっとパワーゲージを見続けていると、なんだか目がショボショボしてきました。
このような面倒な戦闘を減らすことも出来るのが、「暗殺」モード。相手が雑魚兵の場合、戦闘前に表示されるターゲットマークで敵を捉えることが出来れば、戦闘せずに勝利を得ることが出来ます。実際に潜入して敵を狙う時のような緊張感があり、シナリオ設定に良く合っていました。ただ、やはり これも目押し。またしても目押し。目まぐるしく動くターゲットマークを見ていると、なんだか目がチカチカしてきました。
以上のように、斬新なシステムを楽しめはしたものの、正直言って、いろいろと辛くもありました。得手不得手は人それぞれですので、これらの戦闘を問題なく楽しめる方もいるでしょう。Easyモードも用意されていますので、戦闘が苦手な方でも一応クリアできる仕組みになっています。RPGツクール2000で製作されているので、シェアとしては標準以下の不便な操作性です。前作の大ファンの方なら購入してみても良いかもしれません。
【HP】アルファナッツ 【価格】700円 【プレイ時間】6〜7時間 【ツール】RPGツクール2000 【容量】20.4MB 【頒布日】2003年春 【頒布形式】ダウンロード販売 【更新日】2003年6月19日
エンジェルウォーリアー
エンジェルウォーリアー(AW)は鬼人に唯一対抗できる謎の生命体。霊峰チョモンマ洞窟で発見されたAWミカエルは、他のAWとは違う膨大な潜在能力を有していた。ミカエルに搭乗するエリジブル(適格者)として、18歳の少年・天原カイが選ばれる。彼の母親の照子を説得するために九鬼博士がメトロ第3シティーへ赴いた折、鬼人が現れ……。
近未来RPG(シェア)。エンジェルウォーリアーに乗り、鬼人と戦うエリジブル9人の物語。序章〜第6章の前篇はフリー、第7章〜第12章の後篇はシェア。第1章は天原カイの登場、第2章は日出マイの登場、第3章は彼ら2人の訓練……となっており、エリジブルが全員揃って出撃するのは第4章以降となります。エヴァを始めとしていろいろなアニメやゲームを混ぜたような設定で、あまり目新しさは感じませんが、この系統を好きな方なら楽しめるかもしれません。
章ごとにイベントが起こり、エリジブルたちが出動して鬼人と戦います。雑魚戦はシンボルエンカウント。レベルアップごとにAWの各能力にEXP値を振り分け、それぞれのAWを好みに応じて自由に育てることが出来ます。また、ダンジョンに落ちている特殊な金属によって武器防具を鍛え、倒した鬼人から得たチャクラによって気功術を習得していきます。特にめずらしいシステムでもありませんが、こういった育成が好きな方なら楽しめるでしょうか。本編とは別に、レアモンスターや隠れボスがいるレベルアップダンジョンもあり、こちらは攻略するもしないも自由です。
エリジブルそれぞれに「闇度」が設定されており、これによってエンディングが変化します。闇属性の武器を装備したり、キャラクターにそぐわない台詞を選択したりすることで闇度が上がるわけですが、シナリオ内でキャラクターの性格がさほどハッキリ表れているわけでもなく、「主人公たちの性格から考えて選択してください」と言われても、困りました。光と闇の対峙が主題となっていますが、ストレートすぎて、なんだか恥ずかしい。もう少しオブラートに包めば良かったかもしれません。
エリジブル9人は一応それぞれ個性を用意されてはいますが、肝心のシナリオではほとんど活かされていませんでした。9人全員が主人公という扱いになっていますが、彼らのドラマはほとんど描かれていません。メインのカイとマイに少しばかり事情やトラウマがある程度で、他のエリジブルたちは最後まで印象が薄いままでした。
要所でスチルやアニメーションもどきが挿入され、ビジュアル面には力が入っています。画像のシフトが頻繁に行われ、絵に動きがあって楽しい。ただ、毎章同じレベルを保っているかというと、そういうわけでもなく、章によって差がありました。
全体の感想としては、ごく普通のロールプレイングゲーム。RPGツクール2000で製作されているので、シェアとしては標準以下の不便な操作性です。フリーで面白いRPGは沢山あるので、わざわざお金を払って本作をプレイする意味があるのかどうかは疑問。よほど絵が好みなら、買ってみるのも一興でしょうか。
【HP】G_fami's HomePage 【価格】800円 【プレイ時間】10時間 【ツール】RPGツクール2000 【容量】(前篇)15.7MB、(後篇)21.6MB 【頒布日】(前篇)2004年3月、(後篇)2004年12月 【頒布形式】ダウンロード販売 【備考】前篇フリー 【更新日】(前篇)2004/4/16、(後篇)2005/1/5