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 NETANNAD夏☆Kanon


NETANNAD  Reviewer: 某スレ住人

【HP】NETANNADウェブサイト 【ジャンル】サイバーパンク恋愛AVG 【プレイ時間】6〜8時間 【ツール】NScripter 【容量】60MB 【更新日】2004/8/9

荒廃した都市のバラックに朋也たちは目覚める。そこに住む人々はみな身体に何らかの器機を埋めみ、その器機にすがって生計を立てている。都市の中央には、巨大な漆黒の塔がまるで天上への階段のようにそびえていた。そこには楽園があると信じられている。そこで人々は調和に満ちた生活を送っているという。だがつぶさに実情を知るものは誰一人として存在しない。朋也たちは様々な危険をくぐりぬけてその楽園の謎に挑む。智代の拳が唸り、一ノ瀬の頭脳が冴えわたる。血湧き肉躍る冒険の果てに、朋也たちの見るものは……?

概要

KeyのCLANNADが待てど暮らせど一向に発売されようとしなかった昨年秋、某巨大掲示板の有志が「それならば俺たちでCLANNADを作ろう!」という壮大な発想のもとに発足した企画から生み出されたゲームです。初回版は実際にCLANNADの発売日前日にリリースされたため、二次創作のように見えますがキャラの設定・世界観などはまったく異なり、1.5次創作などと呼ばれることが多いようです。 今回のレビューは初回版の好評を受けてビジュアル面の強化、おまけシナリオの追加などが盛りこまれた完全版の紹介になります。

シナリオ

読む者をぐいぐい引きこむ展開と、安定したリズムの良い文章は秀逸の一言に尽きます。総文字数17万文字以上という長編でありながら、最後まで飽きさせずにもってゆくシナリオの力は凄いです。切ない悲恋物語をベースに、人間関係の葛藤、家族のありかた、幸せな恋愛の形など、様々な要素が絡みあい、読み手の心を打つ内容になっています。
また、CLANNADの設定を借りて作られた作品なので、発売前にメディアで露出していた有名な台詞がまったく別の使われ方で取りこまれていて、ギャップに思わぬ楽しみを感じる部分もあります。具体的には「ぎぎぎ」とか。

グラフィック

初回版ではイベントグラフィックが一枚もありませんでしたが、完全版ではHシーンを中心に多数のCGが使われています。ただあまり過激な絵はなく、どちらかと言えば大人しい雰囲気のあるCGが多いです。判断が分かれるところだと思いますが、シナリオのセンチメンタルな持ち味を壊すことなく、しっとりと結合した良いグラフィックであると感じました。

サウンド

有志によるオリジナルサウンドと、素材提供サイトのサウンドとが混在して使われていますが、場面と音楽がとてもうまく噛み合っていて、全体の雰囲気を作るのに大きな力を発揮しています。完全版ではオリジナルサウンドが数曲増え、初回版では薄かった後半の演出が大幅に強化されています。

総評

顔も知らない者たちが良いものを作りたいという気持ちだけで結束してゲームを作る。フリーゲームだが商業に負けない面白いゲームを作る。2ちゃんねるを完全活用してゲームを作る。どれ一つとってみても難しい課題をすべてクリアして作られたNETANNADは、そんな事情など知らずとも大いに楽しめる素晴らしいゲームだと思います。それでも制作過程を眺めてきた者としては、作品の出来よりも制作過程に感動させられ、楽しませてもらいました。またどこかでこうした面白い企画があることを祈っています。


夏☆Kanon  Reviewer: 咲弥

【HP】LIGHT GAMER 【ジャンル】「Kanon」恋愛ビジュアルノベル 【プレイ時間】1時間半 【容量】38.6MB 【ツール】NScripter 【更新日】2003/9/15

家庭の事情で主人公の相沢祐一は叔母の秋子と従姉妹の名雪の住む水瀬家へ居候することになります。家族の愛情に飢えていた祐一にとって、秋子・名雪との新しい生活は心温まる至福のひとときでした。そんな彼女らの優しさに触れるうち、祐一は次第に秋子に惹かれていきますが…。

システム

選択肢によって物語が分岐していくオーソドックスなマルチエンディング式サウンドノベルです。スキップや回想モードも付いてます。セーブは9個まで。特にストレスを感じることなく遊ぶことが出来ました。

シナリオ

最初のうちは日常の一コマがまったりと進行していきますが、文章力がそれなりに高いので安心して読むことが出来ます。後半になってくると切ない人間模様が徐々に浮かびあがってき、主人公を含め登場キャラクターの苦悩が巧みに描かれています。

実の叔母である秋子を好きになってしまう祐一、それを知りながら一途に祐一を思いつづける名雪、名雪の幸せを願い亡き夫に操を立て祐一を拒絶する秋子、祐一の心に深い傷痕を残した真琴との過去。これらキャラクターの相容れない絡み合いが胸を打ちます。

エンディングは全部で4種類。ほんわか幸せな気分に浸れるハッピーエンドから、思わず鬱になってしまう悲しいバッドエンドまで各種揃っています。

グラフィック

水彩調のふんわりした絵柄で好感が持てます。立ち絵は表情から服装までいろんな種類があるのですが、一枚絵が無いのは少々残念です。とくにここぞというシーンでエッチCGが無いというのは肩透かしを食らったようでした。まあ名雪の水着姿が拝めたので良しとします。

サウンド

はっきり申し上げるとBGMは大変GOODです。数も多く質も良好、でしゃばり過ぎることなく場面にしっかり合うようなつくりになってます。お気に入りは"夏の夜風"。ゲームの舞台をよく象徴した儚い一夏の思い出ような曲です。SEは可もなく不可もなく。要所でチリンと流れる風鈴の音が印象的でした。

総評

総評は、フリーソフトにしては上々の出来だと思います。人の好みもよりますがハズレではないでしょう。後半は鬱ゲーに近いものがありますので苦手な人はご注意を。
市販のゲーム"Kanon"の二次創作のようですが、原作のKanonを知らなくてもプレイに差し支えは無いと思います。もちろん原作を知っていた方がより楽しめると思いますけど。