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真夏の扉

中学二年の夏休み。神原優人は自宅で偶然見つけた写真をきっかけに、自分が記憶の一部を失っていることに気付く。小学三年の夏に母親の郷里で行方不明になり、翌朝発見されるまでの記憶を無くしていた優人。失われた記憶を取り戻すため、優人は再びその町へ向かう。



優人の一人称で進行するサウンドノベル。封じられた記憶の謎を解くミステリ要素がメインとなっており、前作までのライトな学園ものとは趣きが異なります。前作まで文中に飛び交っていた「(笑)」「(汗)」などの記述が今作では控えられていますので、わりと普通に小説として読めるようになりました。今までこれが苦手で敬遠されていた方も、プレイしてみても良いかもしれません。

海沿いの町で過ごす五日間。そこで出会う人々を通して、優人は自分自身と向き合っていきます。明るく世話焼きな従兄弟「飯田徹」、大らかな高校教師「池田達朗」、役者を目指す大学生「真野直樹」、年齢不詳の謎オヤジ「相良良介」。全体的に年齢層が高く、優人との関係も一線を越えてしまったりしているので、いい大人が いたいけな中学生に何をしとるのかと思わなくもないです。彼らとの恋愛シナリオでは、失われた記憶の謎は解けないまま。相良良介だけは真相に近い位置にいるものの、それを除けば、ごく普通の田舎恋愛ものと変わりありません。

優人は町へ来た日から、毎日奇妙な夢を見るようになります。森を指差し、何かを伝えようとしている徹。鬱蒼とした森の中を歩く自分。幼い頃の記憶の断片。深い森の中に何があるのか? 真相解明ルートでは、ある場所の探索などミステリ色が濃くなっています。一部ホラー風味もあり、エグい画像が突然出てきたりしますので、心の準備をしておいたほうが良いかも。エグいといってもホラー素材でよくある「目」なわけですが、これが本気で心臓に悪いうえに何度もしつこく出てくるので泣きそう。ホラーがメインの作品ではないはずなのに、ここまでプレイヤーをビビらせるとは「目」恐るべし。

ある場所で出会う白衣の青年。森にまつわる「神隠し」の伝承。やがて優人の心に甦る真実とは……? ラストのどんでん返しには驚かされました。真相解明ルートに限定すれば、ボーイズラブが苦手な方でも楽しめるかもしれません。

(2002年12月11日)


【プレイ時間】2時間半 【総プレイ時間】15時間 【容量】2.22MB 【ツール】Yuuki! Novel 【備考】製作サイトに攻略あり

【HP】「電脳卸問屋」 http://bantouhan.hp.infoseek.co.jp/