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くちうつしのパルス

高校二年生の多岐こなこは男嫌いの美少女。一年半前、菱川一族の莫大な遺産を相続することになったこなこは一躍有名人となり、世間の好奇の目から身を隠すために鉄壁の要塞を誇る全寮制の実園学園へ転入してきた。以来、高い塀に囲まれた学園内で平穏に過ごしてきたこなこだったが、遺産相続を控えた秋のある日、何者かに狙撃される。降り注ぐガラスの破片からこなこを守ったのは、写真部の八緒鷹人だった。気弱でいじめられっ子の彼は こなこに真摯な想いを寄せるが、こなこは冷たく拒絶して……。



シナリオ1

「赤い赤い……血の華が咲くわ。あの子のまわりに、たくさん……」

エロありバイオレンスありの学園サスペンス・ハードボイルド恋愛ドラマ。「次々襲いかかる貞操の危機!」「らぶらぶHぃ」などの製作サイトの煽り文句を見て、頭の軽い少コミ系かと思いきや、プレイしてみると意外にも読み応えのあるシナリオでした。あちこちぶっ飛んでいてアレなキャラばかりにも関わらず、なぜか読ませる。女性の作者さんにはめずらしく、戦闘描写もしっかりしていて上手い。こなこが周りから誇り高いだの聡明だの賛美されまくっているわりには、そんな大層な人間には見えませんが、そのあたりはご愛嬌で。実際、少コミ的な部分も全開でツッコミどころも多々あるのですが、なにやら得体の知れない迫力に押されて一気に読んでしまいました。

20年くらい前の年代を思わせる作風からして、おそらく作者さんは年を重ねた方ではないでしょうか。全体的に筆力が高く、義母のエロ描写やドロドロ醜悪な人間描写なども堂に入っていて年の功を感じます。レディコミ作家が少女漫画を描いたら、こんな感じになるのでしょうか。泥臭く古いセンスが、逆に新鮮。もしこれで作者さんがピチピチ19歳だったりしたら、それはそれで凄い(笑)

恋愛対象は強引な左門狗内と、いじめられっ子の八緒鷹人。とはいえ、シナリオのメインは明らかに八緒であり、左門はほとんど噛ませ犬のような位置付けです。いちおう選択肢によって二人のエンディングへ分岐しますが、左門エンドは実質バッドエンド。最後に取って付けたように こなこが左門を選ぶだけで、八緒が可哀相すぎて後味が悪い事この上なし。よほど左門を好きな人以外は、別に左門エンドを見る必要はないかと。

いつもこなこを陰から見守り、助けてくれる謎の「彼」。彼の正体も、それに気付かないこなこもお約束で、まさに王道。闇の世界に生きる彼を「所詮そいつは人殺しだ」と断じ、彼とこなこは住む世界が違う、と諭す八緒。こなこの「彼」への想いを断ち切ろうとする八緒が切なくて萌える。地味で冴えない八緒の学生服の下に隠された逞しい筋肉がたまりません。個人的にマッチョにはあまり興味は無いのですが、八緒の筋肉にはときめきまくり。なぜかと考えてみますと、やはり普段隠されているからではないかと。シャツの下からチラリと覗く筋肉、このチラリズムがたまらんのですね。脱いだらすごい男・八緒鷹人。この逞しい肉体で、あんなことやそんなことを。奥さん!危険です!

(2006年6月14日)


【対象】18推 【プレイ時間】4時間 【容量】36MB 【ツール】LiveMaker 【公開日】2006/4/29 【備考】製作サイトに攻略ヒントあり 【参考】ピックアップ投票結果

【HP】「優しい雨」 http://www.sam.hi-ho.ne.jp/of-pias/index.htm