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アパートの一室で、大学生の弦張男(つるはりお)の刺殺死体が発見された。凶器は弓矢。捜査の結果、被害者の弓道部の後輩である的波円(まとわまどか)が逮捕された。死亡推定時刻に現場から出てくる彼女を、同じ弓道部の矢野真弓が目撃したというのだが……。
『逆転裁判』のシステムを元にオリジナルシナリオで作られた法廷バトルアドベンチャー。弁護士のギコを操作して、証人の嘘を暴きましょう。証言と証拠品の間には、必ず何らかの矛盾があります。証言に対して「ゆさぶる」、証拠品を「つきつける」などのアクションを行い、矛盾を指摘して証言を崩していきましょう。
登場人物は弁護士のギコ、検事のフサギコ、所長のしぃ、裁判官のモナー、刑事のショボなど。メインキャラクターは2ちゃんねるのAAキャラで、被害者や被告人などのサブキャラクターはオリジナルのキャラとなっています。AAキャラとオリキャラが同一作品に混ざっているのは、最初はかなり違和感がありました……が、プレイしているうちに慣れたかも。
法廷記録には証拠品データと関係者データがあり、証拠品だけでなく関係者データも「つきつける」ことが出来ます。また、証言やデータの不審な箇所をクリックして指摘するシステムもあり、これは本家には無い新しいものでした。せっかくのオマージュ作品ですから、本家を逸脱しない範囲で、このようなオリジナル要素をどんどん入れるのも良いかもしれませんね。
矛盾の指摘については、やや強引な部分や無理のある部分も目立ちますが、一部を除けば概ねスムーズな展開でした。本作では「時間」が大きな焦点となっていますが、時間差矛盾は本家の『逆転裁判』でもお馴染みですので、同じ要領ですんなり解けました。難を言えば、伏線があからさますぎたことでしょうか。■■との最初の会話で××の話題が出た時点で[犯人が矢を持ち運んだ方法]が解ってしまい、序盤からいきなり犯人も方法も解って拍子抜けしました。
逆転裁判といえば、法廷の人たちのズレた会話やコミカルな掛け合いが楽しいわけですが、本作でも随所にクスリと笑える会話が散りばめられており、本家同様、証言を「ゆさぶる」のも楽しみの一つとなっています。検事のフサギコは、気取っていて冷静な御剣タイプかと思いきや、なんと追いつめられるとキレて逆上してしまう困ったお人でした。子供っぽくて、なんだかカワイイ。やたらと立ち直りが早いのも笑えます。
矛盾を指摘して追いつめる場面の曲「おぶぢぇくしょん!」は、いかにも逆転裁判らしい曲で大いに燃えました。最後に真犯人を告発する場面で流れる曲「落花狼藉」も、大詰めに相応しい盛り上がりを演出しています。ただ、FLASHで作られているせいもあり、操作面は厳しい。同じくFLASH製の別作品『逆転裁判?』ではキーボード操作が出来ましたが、本作ではマウス操作しか出来ません。しかもテキストを進めるにはメッセージウィンドウ内のカーソルを限定してクリックしなければならず、かなり不便。FLASHにしてはボリュームも結構あるので、セーブが無いのは辛かった。
細かい突っ込みどころは多々ありますが、逆転裁判風のオリジナルストーリーとしてはなかなか良く出来ています。逆転裁判の面白さのツボがしっかり押さえられており、本家ファンの一人として楽しくプレイできました。逆転裁判をプレイしたことの無い方は、この機会にぜひ、逆転裁判の法廷システムの面白さを体験していただければと思います。
(2004年12月9日)