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コトノハデカダンス



序章 「コトノハプレリュード」

楽しかった高校の卒業旅行。クラス全員で北海道へ遠征した無茶な旅行だった。興奮冷めやらぬまま、悠樹は家族への土産を携えて四日ぶりの我が家へ帰る。その日は、悠樹にとって生涯忘れられぬ日となった──。

この銀色に光るナイフで、僕は何をしようというのだろうか。

ジュブナイル&サスペンス。日常から非日常への転落が秀逸。主人公がじわじわと不安に陥り、不安を否定しながらも、やがて認めざるを得なくなり、“事件”として明らかになるまでの過程がやけにリアルでした。楽しく浮かれた気持ちから、見事に突き落とされてしまった。序章の終わりに少し登場する刑事さんも食わせ者で面白いですね。この刑事さんコンビは、また再登場してくれそうな感じで楽しみです。

(2007年3月16日)


第一章 「コトノハエントランス」

忽然と家族が消えた失踪事件から、一年と四ヶ月。静岡総大に進学した悠樹は、祖父の家に下宿しながら、友人の藍華や海里と共に穏やかな生活を送っていた。家族を失った痛みは、日常の中に埋没していく……。

「おいーす、お待たせ。君達は絶対感謝するべき! 藍華ちゃんが女日照りの二人のために、遊びに来てあげたよ!」

第一章は、ほとんど主人公たちの日常シーン。本作の日常描写はこの手のノベルの中では面白いほうだと思いますが、それでも日常ばかりが長く続くとダレますね。次章以降はもう少しダレない程度のバランスだと嬉しいかも。

平和な日常が続いた後、後半に事件発生。死ぬぞ死ぬぞ死ぬぞと思っていたお爺さんが、やはり死んだ。序章の内容からして、てっきり現実的なサスペンスものだと思っていたので、いきなり化け物が出てきた時はズッコケました。そっち系だったのか。さらに序章で失踪した妹が第一章で早々に登場して噴いた。もう出てくるのかよ。早いよ。しかも妹もそっち系の住人かよ。

物語は動き始め、これからいよいよ本格的に伝奇ものへ突入でしょうか。伝奇なら伝奇と最初から言ってくれ〜(笑)

(2007年4月6日)


第二章 「コトノハガイダンス」

祖父を殺され、正体不明の影に襲われた悠樹は、同じ大学の葉先輩に助けられる。葉先輩そして一年ぶりに再会した妹の悠那は<<異能者>>だった。悠那は異能の血統のため、<<六合>>に拉致監禁されていたという。悠那を狙う<<異能者>>から逃げるため、悠樹は悠那と共に町を離れようとするが……。

「悠樹くん、君は……こちら側の人なのかな?」

いよいよ本番開始の第二章。第一章プレイ時はのんびりした日常に若干ダレましたが、第二章から本格的に非日常へ突入することを踏まえると、第一章はあれで良かったとも思いますね。第二章以降は全体的に緊迫した状況ではありますが、何気にあちこちにギャグが仕込まれていて笑える。

悠樹の家系が代々<<言霊使い>>であることが判明し、タイトル前半の「コトノハ(言の葉)」の由来が一応判りました。お約束として、悠樹には秘められた言霊の能力があるのでしょうけれど、はてさて、どんな能力なのやら。集中すればするほどナイフが的に当たらず、気が散漫になれば当たるという現象も何か関係あるのでしょうけれど、今の段階では見当がつかず。タイトル後半の「デカダンス(虚無的・退廃的な傾向)」は何を示すのか?

序章に少し登場した刑事さんコンビが、立ち絵付きで再登場してくれて嬉しい。なるほど、こういう外見だったのか。いかにも食えない容貌の戌井刑事は想像通りとして、インパクトありまくりの亥野には笑った。確かに、こんな目でじっとり見られたら嫌だ(笑) 悠樹と家の様子の不自然さに戌井刑事が気付いていないわけはないので、彼らが今後どう動くのかも気になるところです。

矢神姉妹と妹の悠那に、藍華も保護対象として加わり、美少女四人とドキわくハーレム同居生活へ。と言うほど、主人公がモテているわけでもないのですが。女の子四人の立ち絵がズラリと画面に並ぶと、なかなか壮観ですね。可愛い女の子がいっぱいなのは嬉しいのですが、そろそろ男成分が欲しい気もしてきた。

(2007年4月22日)


第三章 「コトノハカースメイカー」

襲撃者から逃れ、葉先輩宅の矢神神社に身を寄せる悠樹たち。ある日、悠樹は葉先輩の妹の雫の手伝いとして、近くの笹木ヶ原樹海の探索へ同行することに。笹木ヶ原樹海では謎の行方不明事件が頻発しており、現在、12人のTV局関係者が行方不明になっていた。笹木ヶ原樹海には旧矢神神社があるというのだが……。

「結局の所、旧矢神神社は穢れてしまったんですよ」

ver3.0にて第二章「コトノハガイダンス」と第三章「コトノハカースメイカー」が同時に追加されました。以前から思っていたのですが、章と章の境目が判りにくい。章タイトルの前にイントロがあり、前の章のラストと次の章のイントロがそのまま繋がっている状態。章の移行をセーブタイトルでしか判別できないのは、どうかと思います。章の始まりと終わりを、もう少し判りやすく表示してほしい。

序章〜第三章が収録されたver3.0現在で、とうとう容量が200MBに達してしまったのですが、次回以降の配布はどうなるのでしょうね。さすがにこれ以上の容量を毎回ダウンロードするのは辛いような。章ごとにダウンロードできるようにはならないのでしょうか。

第三章は異能バトル初お披露目の回でした。ごく普通の異能バトルで若干退屈しましたが、ラストの六合宗司の登場によって、再びストーリーが動いてくれそうな気配。第二章の時点では、悠那はわざと泳がされているのでは?と疑っていましたけれども、そういうわけではないのでしょうか。

(2007年4月22日)


【プレイ時間】序章:25分、一章:1時間半、二章:1時間15分、三章:1時間 【容量】200MB 【ツール】吉里吉里2/KAG3

【HP】「スロウスターター」 http://home.freelance.ne.jp/~nino/slow/