- 伝奇ノベル -  │HOMEADV:伝奇・活劇(1)


紅刻の唄

姫野瑞貴は姫野家某流厳清館道場当主の孫娘。人並み外れた戦闘能力を生まれ持ち、その力ゆえに幼時に人を殺し、周囲から「化け物」と疎まれてきた。事故から3年後、再び戻ってきた生まれ故郷の町で、瑞貴は一人の少女と出逢う。紅刻(くれないどき)──夕暮れの最も綺麗な光が満ち溢れる、その一刻に……。


紅刻の唄
瑞貴


全9話予定の伝奇ビジュアルノベル。現在、第零話「紅逢(くれない)」と第壱話「桜眩(さくら)」が公開されています。

第零話 「紅逢(くれない)」 (全年齢)

瑞貴の生まれ故郷であるX県鬼哭里町は、古い鬼の伝説が息づく町。高い戦闘能力ゆえに「人殺し」「化け物」として疎まれてきた瑞貴と、伝承に残る紅の髪と緑の瞳ゆえに「忌み子」「鬼の子」として疎まれてきた紅葉。二人は出逢うべくして出逢い、惹かれ合った。高校の合格祝いに紅葉の家で宴を開いた夜、二人は「ずっと一緒にいよう」と約束し、契りを結ぶ。しかし その夜、鬼哭山に異変が起こり……。

8歳当時の瑞貴と紅葉の出逢い、そして15歳現在の本編への導入部が描かれています。臨場感溢れる戦いの画面効果、ヒラリと舞い落ちる一枚の紅葉など、新鮮な演出に目を惹かれました。テキストが相当くどいので受け付けない人も多そうですが、お好きな方にはたまらない作品でしょう。「アトラク=ナクア」や「月姫」などを好む層の人なら、この作品にも馴染みやすいかもしれません。瑞貴と紅葉は作中で契りまで交わしてしまっている正真正銘の百合ですので、苦手な方はご注意を。猟奇的な場面もあり、若干人を選ぶ作品ではあります。

(2003年1月19日)


第壱話 「桜眩(さくら)」 (18禁)

5年前、鬼哭山で紅葉を失った瑞貴は、太刀「姫煌」を手にして紅葉を探す旅に出た。人の心を狂わせる鬼と成り果てた紅葉を追い、幾度も出逢いと別れを繰り返し、今また一つの街へ降り立つ。街全体に満ちた紅葉の気配。紅葉は、この街のどこかに居る。御霊を目覚めさせるため、生贄となる人間を探している……。

鬼哭山の異変から5年後の物語。5年の年月の間に、主要人物の立ち位置もずいぶん変わっています。

人の身を捨て、15歳の少女の姿のままで紅葉を追い続ける瑞貴。
妖かしの鬼となり、人をたぶらかして狂気の淵へと引きずり込む紅葉。
「武羅斎」の号を継ぎ、その力を使いながら瑞貴に付き従う駿一。

その場その場の状況や行動の過程が、じっくり、しつこく、細部まで書き込まれています。本来なら省略すべきような瑣末な事柄までくどくど書かれているため、ストーリーの起伏が無く、ひたすら冗長。くどい文章も併せて、読んでいるとかなり疲れました。もう少し描写の取捨選択をして、メリハリをつければ良いかもしれません。

第零話ではまだ駿一がどのような役割を果たす人物なのか判らず、感想を保留にしていましたが、今作をプレイしてみると、かなりの好印象。飄々と軽口を叩きながらも本性は冷徹、なのに瑞貴に対しては絶対服従なあたりが良い感じ。瑞貴が百合っ娘なせいもあって、男女の恋愛感情の介入しない、純粋な主従関係であるところがそそられます。今作ではまだ駿一は影に徹しているため出番が少なくて残念ですが、いずれは彼がメインになるであろう話も、ぜひ読んでみたいところ。いつか瑞貴をサクッと裏切りそうな気がしないでもない。

今作のゲストは梶川ちゃん。眼鏡・おさげ・巨乳(?)とベタな娘っ子なわけですが、しっかり萌えさせていただきました。本作はシナリオのボリュームのわりにスチルは少ないのですが、その限られた枚数の中で、ちゃっかり瑞貴と梶川の入浴スチルがあるのは笑った。正直言うと、紅葉との契りよりも 瑞貴が梶川を抱き寄せるシーンのほうがドキドキしてしまいました。もっとそれっぽいイベントがあっても良かったのに〜と思いますけども、瑞貴はあくまで紅葉一筋ですから仕方ないのでしょうか。

第零話では紅葉との契りのシーンは省略されていましたので、そういう方針なのだな、と納得していたのですが、今作から何故かしっかりエロが描写されて18禁になっています。本作においてエロが特に必要のある要素だとは思いませんし、実際とってつけたようなエロシーンで浮いていました。これから毎回、紅葉とのHシーンが出てきたりしたら、少しうんざりしそうですね。とはいえ、次作も楽しみに待ちたいと思います。

(2003年11月21日)


【プレイ時間】3〜4時間(第零話)、5〜6時間(第壱話) 【容量】38MB(第零話)、51MB(第壱話) 【ツール】NScripter 【参考】ピックアップ投票結果[2003年][2005年

2003年01月: 第零話 「紅逢(くれない)」公開 
2003年11月: 第壱話 「桜眩(さくら)」公開

【HP】「Atelier of Chiharu - Chiharuのあとりえ」 http://www.ip.mirai.ne.jp/~chiharu/