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Does Anybody Really Know What Time It Is ?
ガラスの中の少女

深町夏江は連休を利用して、長野のS山へハイキングにやって来た。途中で知り合った渡辺光咲子、医者の南部・中島たちと共に山荘で休んでいると、外で何かが崩れ落ちる音がする。遅れて山を登ってきたグループが吊り橋を渡っている最中に、ロープが切れたのだった。思わぬ事故で男女二人が亡くなり、時を置かずに別の場所で コースケの血まみれ死体が発見された。深い霧に閉じ込められた山荘で、一人また一人と死んでいく……。



多重人格を題材としたサイコホラーノベル。主人公の深町夏江は、精神科に勤める看護士。南部医師・中島医師と共に渡辺光咲子の治療を担当している。光咲子は11の人格を持つ解離性同一障害(多重人格)の患者で、副人格の中に夏江・南部・中島の人格をも取り込んでいた。ある日の診療中、光咲子が奇妙なことを語り始める。今、彼女の中の11の人格が一同に会して、山荘へ来ているのだと……。

光咲子の精神世界で起こる山荘連続殺人事件と、現実の彼女の治療過程が交互に描かれます。精神世界で人が一人死ぬたびに 光咲子の副人格も一人ずつ減ってゆき、やがて現実の夏江の周辺にも異変が……? 光咲子の心の中の出来事だと分かっていても、霧に閉ざされた山荘で次々と人が死んでいく様はとても恐ろしく、現実と違わぬ恐怖がありました。

各章の終わりにキーワード選択画面が表示され、章の中で気になったキーワードを選択して「手がかりカード」に記入していきます。五章の最後にそれらを組み合わせて事件の謎解きを行い、その結果によってトゥルーエンドとバッドエンドへ分岐します。初回プレイで正解するのはハッキリ言って無理ですので、一周目は物語を読むことに集中しましょう。難易度はかなり高く、何度もやり直しながら頭を絞りました。あることに注目しつつ順を追って考えれば、正解への道筋は見えてくるはずです。ゲームファイルに同梱されている「ヒント」を参考に、じっくり考えてみましょう。

整った文章と美しいグラフィックに加え、選曲のセンスも良し。医学に関する専門用語も多く登場しますが、淀みなく流れる文章のおかげで読むことに苦痛を感じませんでした。徐々に曖昧になっていく現実と非現実の境界。自分という存在すらも曖昧になり、非現実に侵食されていく恐怖。不安を煽る演出、現実と非現実を交錯させた構成が見事で、最後まで緊張感を失うことなく読めました。一部に残酷な画像もありますので、苦手な方はご注意を。

(2003年10月21日)


【プレイ時間】 1時間 【容量】 6.16MB 【ツール】 吉里吉里2/KAG3 【参考1】攻略ヒント&解答 【参考2】ピックアップ投票結果

【HP】 「林檎坂通信」 http://www2.odn.ne.jp/suzune/