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クミは小学2年生の女の子。クリスマスに母親の手作りの大きなクマのヌイグルミをもらいます。その夜、動き出したヌイグルミを追いかけて見知らぬ世界へ迷い込んでしまったクミは、その世界のお姫様と間違えられ、なぜか魔王退治の旅へ出る羽目に……。
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8歳の少女クミとヌイグルミのグレの冒険物語。堅物の騎士ウェハースを連れ、魔王の棲む北の地を目指します。関西弁を話す不細工なグレのキャラクターが生き生きと描かれており、ボケとツッコミの会話が楽しい。ともすれば鼻につくような台詞も、クマが関西弁で喋ると妙に味わい深く聞こえてしまうから不思議です。逆にグレを好きになれない人には、この作品は合わないかもしれません。
宿屋などで1泊するたびに1日が経過し、日数の経過によってシナリオが進行したりイベントが起こったりします。12月7日から旅を始め、24日(31日)を過ぎるとゲームオーバー。1日進むごとにタイムリミットが迫るのは圧迫感がありましたが、それなりに気を遣いつつプレイしていれば、日数が足りなくなるようなことはありません。
戦闘ではキャラたちの会話イベントが多く用意されています。グレやウェハースがクミを庇ったり、気絶したキャラを他のキャラが励まして起こしたりと、皆で助け合いながら戦っている感覚が良い。シンボルエンカウント方式で敵の動きもかなり遅いので、必要以上に戦うことはありません。倒した後は敵の死体が残り、なんだかリアル。「わしら追い剥ぎみたいやなあ……」と言いつつ死体をまさぐり、毛皮を剥いだりお金を盗ったりするグレたちの姿が笑えるというか何というか。戦闘で傷ついたヌイグルミのグレを、クミが繕って直してあげるのは和みました。
ほのぼのRPGと思いきや、意外にシビアな世界で、嘘か本当か分からない予言を元に
8歳のクミが魔王討伐へ送り出されてしまいます。結果的には予言の通りにクミが世界を救い、めでたしめでたしなわけですが、大人たちの身勝手さを随所で見せつけられ、いまいちスッキリしませんでした。グレが彼らを非難することで作品内のバランスは一応とれているものの、最後くらいは
あの王様あたりにガツンと言ってやりたかった気もします。
クミの母親の愛情から生まれたヌイグルミのグレは、どんな時もクミの身を案じ、クミを守ろうとしています。クミとグレの温かな絆が、本作の一番の魅力かもしれません。シナリオはあちこち粗が多いように感じましたが、クミとクマの関係だけは最後まで丁寧に描かれていました。
(2004年6月8日)