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かつて大いなる繁栄のもと築かれた古代エジプト文明の遺産、大ピラミッド。エジプト考古学界の権威である土田教授と助手の黒江は、ピラミッドの地下に高度な文明遺跡を発見する。しかし侵入者を排除するトラップにかかり、鉱員が死亡。性急な調査のため人手が足りず、教授は日本人の観光客たちを騙して調査要員に加える。危険な罠を凌ぐための「人柱」として……。
ピラミッドを探索するホラーRPG(1998年製作)。「押す」「引く」「かがむ」「見上げる」などの行動コマンドを選択することでイベントが進行し、状況に応じて適確な行動をとることで危機を回避していきます。戦闘は容易で、プレイ時間も短くサクサク進むので、RPGが苦手な方でも気軽に何度でもプレイできるでしょう。
土田教授に騙されてピラミッドへ連れて来られたのは、九人の日本人観光客。ツアーコンダクター、報道カメラマン、無口な少女、太った男、幼い女の子、そして卒業旅行で訪れた四人の高校生。この高校生の一人「朝木歩人」がプレイヤーの分身である主人公です。
古代文明の謎に満ちた地下遺跡を奥へ奥へと進んでいく歩人たち。そこで目にするものは、様々な神秘的な光景。大空洞の中に輝く地底湖、そびえ建つオベリスク、古い帆船、数々の王像、膨大なヒエログリフ。ドット絵の作り込みが半端ではなく、刻々と移り変わる光景を眺めるだけでも充分楽しめました。モンスターのグラフィックも仔細に描き込まれており、不気味さが引き立っています。キャラクターは一昔前のアニメっぽい塗りで、それがまた作風と合っていて一貫した雰囲気を保っていました。
嘘ばかり吐いて人を困らせる倫、歩人に想いを寄せる葉子と寧、無口で攻撃的な早織、爽やかな好青年の水見……彼らにはそれぞれ悩みや秘密があり、「罪」を抱えています。その「罪」を遺跡によって裁かれ、一人また一人と犠牲になっていくことに。次々と襲い来る理不尽な裁きを、果たして防ぎきれるのか? 彼らの生死の行方は歩人(プレイヤー)の行動次第です。それぞれの状況に
きちんとヒントが提示されていますので、それを見逃さず落ち着いて対処していきましょう。
とはいえ、普通にプレイしていれば大抵はヒントを見逃してしまうはずです。そのような作りになっていますし、死亡者が増えれば増えるほど、物語も緊迫して盛り上がっていきます。こう言っては何ですが、ファーストプレイは全員殺したほうが面白いかも。
異国の地下遺跡で繰り広げられる凄惨な人間模様と古代の神秘。冷酷な魂の裁きをくぐり抜けながら、ただ奥へ奥へと進むしかない歩人たち。その最果てに待ち受けるものは……? 細部まで緻密に作り込まれたグラフィックとシナリオが素晴らしく、全てが絶妙に調和した美しい作品でした。
| 土田教授 | |
| エジプト考古学界の世界的権威。クフ王のピラミッドの謎を解明するために違法調査を進め、さらに日本人のツアー観光客を騙くらかして人柱にするマッド学者。ハタ迷惑な老人だが、彼の薀蓄と遺跡に対する熱狂ぶりは見ていて楽しい。助手の黒江と何らかの因縁があるらしい。 | |
| 黒江 浩二 | |
| 土田教授の助手。医師免許を持っており、歩人たちの怪我を看てくれる。手段を選ばない教授に不信感を抱きながらも、ピラミッドの財宝を得るために従っている。普段は紳士的だが、金に異様な執着を見せる。 | |
| 朝木 歩人 | |
| 主人公。高校の友人三人と共に、卒業旅行でエジプトにやって来た。リアリティを感じられない退屈な日常から抜け出すことを望んでいる。ピラミッドの遺跡調査にあたり、最も危険な「探索役」を任される。 | |
| 日野 今日介 | |
| 歩人の親友。直情的で、喧嘩っ早い。葉子に一途な想いを寄せている。実は物語の鍵を握る人物? | |
| 市川 寧 | |
| 歩人のクラスメイト。明るく素直な女の子。歩人に想いを寄せる葉子を応援し、自分の歩人への気持ちを隠している。[「嫉妬」の罪で裁かれる。] | |
| 乃木坂 葉子 | |
| 歩人のクラスメイト。おとなしく気の弱い女の子。遺跡の中に入ってから、ずっと何かに脅えている。[自分を変えたくて、デパートでペンダントを万引きした。「窃盗」の罪で裁かれる。] | |
| 月原 倫 (幼い女の子) | |
| いつの間にかツアーに紛れ込んでいた小学生の女の子。明るくワガママ。父親の転勤でエジプトに越してきて、ピラミッドの近くに住んでいる。誰にもかまってもらえない寂しさのために、嘘ばかりついて人の気を引こうとする。[「嘘」の罪で裁かれる。] | |
| 音樹 冴 (ツアーコンダクターの女性) | |
| ツアーコンダクター。面倒見が良く、しっかり者。しかし土田教授の口車に乗せられてホイホイついて来てしまうあたり、迂闊なツアコンかも。[ツアーコンダクターの立場を利用して、麻薬密売に関わっていた。その罪を裁かれ、吊り天井に潰される。] | |
| 水見 壮司 (背の高い男) | |
| 報道カメラマン。どんな状況でも落ち着き払っている。一見さわやかな好青年だが、実は……。[アイドルやモデルの弱味を握って身体を弄ぶ猥褻な男。偶然 音樹冴の秘密を知り、それを盾に関係を迫る。「姦淫」の罪で裁かれる。] | |
| 篠田 早織 (赤髪の女の子) | |
| 常に攻撃的で人を寄せ付けない少女。ある一枚の写真を大事にしている。[旅行の前日に恋人を事故で亡くし、死に場所を求めてツアーに参加した。遺跡の中で、彼の写真と共に死のうとする。] | |
| 光栄寺 満 (太った男) | |
| いつでもどこでも寝る怠惰な大学生。何をするにも面倒臭がり、とことんマイペース。[ガス室の中で不思議な声に誘われ、眠ってしまう。罪は「怠惰」?] | |
(2003年1月23日)