- 商業18禁ゲームレビュー -  │HOME商業18禁(1)


鬼作

総評:6
★★★★★★☆☆☆☆



盗撮陵辱立身出世SLG。「遺作」「臭作」に続く「○作」「おやぢ」シリーズ第3弾。伊頭家の末弟である鬼作が8人のヒロインを盗撮し、それをネタに脅迫して思いのままに陵辱していくゲームです。ターゲットは製薬会社の社員や、その家族たち。陵辱だけでなく仕事をこなすことによって出世していく楽しみもあり、最終的には社長の座を手に入れることも可能です。

期間は2年間。毎月初めに、その月の4週分のスケジュールを決定します。平日に町や社内を徘徊して脅迫ネタを集め、週末にヒロインを脅して陵辱。ヒロインをつけ回すだけではなく、営業の仕事もきちんとこなさなくてはなりません。3ヶ月ごとに査定があり、営業ノルマが足りなければ リストラされてゲームオーバー。8人全員を陵辱するパーフェクトクリアを狙うとなれば難易度はかなりのもので、徹底したスケジュール管理が必要です。

会社が舞台ということで、ヒロインの年齢層は若干高め。ターゲットのヒロインたちが揃いも揃って無防備で、ハラハラさせられっぱなし。ネタを充分に集めた後、ヒロインを脅迫するくだりが一番楽しいですね。鬼作に好意を抱いていた女性の絶望。鬼作を見下していた女性の屈服。これらのヒロインを堕とす瞬間が最高でした。シナリオ性は希薄なものの、彼女たちのそれぞれの背景がリアルで、つい感情移入してしまいました。けれど、彼女たちがどんなに辛い過去や悩みを抱えていようとも、鬼作の前では何の意味も成さないことが哀れです。

エンディングテーマは「人間椅子」による『芋虫』。自転車で夕暮れの河原を走る鬼作のシルエットと共に、虚無感に満ちた哀しい歌が流れます。「俺は芋虫、醜いだけの。俺は芋虫、卑しいだけの」 自らを呪い、蔑む絶望の歌。これ以上ないほど、鬼作の心の内に沿った歌だと思います。『芋虫』は人間椅子のアルバム『怪人二十面相』に収録されていますので、興味のある方は探してみると良いでしょう。

伊頭 鬼作

鬼畜道を極めることを美学とする伊頭家の3男。醜く不潔で、性欲にまみれた最低オヤジ。……のはずですが、老人や子供には優しかったり、コミカルなアクションを見せてくれたりと、憎みきれない部分もあります。変質者である自分に対するコンプレックスや後ろめたさがありながらも、鬼畜のプロを目指し、普通の温かな生活を拒んでいます。なんとも複雑な男です。作業着の裏地に亡くなった母親の写真を縫い付けているエピソードは、少し泣けてしまいました。

君崎 宏美

営業部第一課所属。おとなしく優柔不断な性格で、いつも不安そうな顔をしています。ライバル会社にいる恋人のために会社の機密をリークしていたことを鬼作に知られ、脅されることに。鬼作が部屋に来るたびに笑顔を強いられ、「ごはんにしますか、お風呂にしますか」と言わされるシーンがお気に入り。涙を浮かべながら笑顔を作り、震える声で言葉を紡ぐ様子が痛々しくて萌えました。

杉本 翔子

会長の孫娘。無邪気でワガママなお嬢様。個人的に、8人のヒロインの中ではこの娘が一番好みです。鬼作に懐いて父親の影を重ねている様子が可愛らしく、なんだか脅すのが嫌になってしまいました。脅さなければゲームが進まないのですけども。脅迫に対して取引に持ち込もうとするなど、妙に聡いところを見せるものの、所詮は世間知らずの小娘。鬼作に、いいように弄ばれてしまいます。初めての陵辱後は大声で泣いてしまって、胸が痛むのなんの……。やはりこんな子供にまで手を出したくなかったですよ。

末広 円香

営業部第一課所属。仕事も恋愛も適当に割り切っているお気楽OL。同じ課の姫野部長と不倫していましたが、最近は飽きている様子。鬼作の脅迫を「愛人契約」と勘違いして、すっかり鬼作の女気取りに。セックスを重ねるうちに鬼作の虜になり、鬼作をつなぎ止めようと必死になります。しかし、円香が鬼作を求めれば求めるほど、鬼作の心は離れていくことに。捨てられてもなお鬼作に尽くそうとする姿が、いじらしくて不憫でした。ラストは、刃物で鬼作を刺そうとした男の前に飛び出し……。

姫野 優里

営業部第一課の姫野部長の娘。潔癖で人見知り。父親の不倫を知り、心を痛めています。父親の気をひくために万引きしたところを鬼作に盗撮され、それをネタに脅迫されることに。弱々しく儚い女の子で、陵辱シーンは可哀想すぎて見ていられませんでした。

秋本 葵

神憑り医院に勤務する看護婦。鬼作の見合いの場に同席していた、見合い相手の妹。鬼作がいくら見合い相手に嫌われるように振る舞っても、葵はクスクス笑うばかり。好きなエピソードの一つです。普通なら眉を顰めるような鬼作の非常識な言動を笑ってしまえる葵の懐の深さが良いなと思いました。しかし、そんな明るい彼女にも深い心の闇が……。葵の不幸な身の上に加え、陵辱の場所が深夜の病院ということもあり、重く濁った陵辱シーンばかりで気が滅入りました。

白石 桃子

受付嬢。純粋で人を疑わない、優しい心の持ち主。……とはいえ、鬼作に何をされても ひたすら「鬼作さんは優しい人です」と言い続ける彼女は、正直うすら寒かったです。こんな女性は現実にはいないと思いますが、いたらいたで相当怖いですね。しまいには結婚までしようというから、恐ろしいです。サイコホラーを観た気持ちでした。

三波 撫子

人事部の三波課長の若妻。保守的な性格で、夫に尽くす貞淑な女性。現状に不満を持ちながらも、今の安定した生活を守ろうとしています。自宅で鬼作に脅迫されて足を開く場面が印象的でした。

柏木 綾乃

会長付秘書。有能で権力志向が強く、高慢。徹底して鬼作を蔑んでいる。元AV女優である過去を鬼作に知られ、脅迫されることに。どれだけ嬲られてもプライドを失わず、憎まれ口を叩いてくるところが彼女らしくて好きでした。鬼作に、ある取引を持ちかけてきます。


裏モード
本編クリア後に、「鬼作の魂を救え」と銘打たれた裏モードが用意されています。8人パーフェクトクリアか社長エンドを迎えると、再びオープニングの会社面接からゲームが始まります。そのまま通常通りに進めていくと、ある日、鬼作の部屋に幼い女の子が現れます。女の子と鬼作の奇妙な共同生活。最初は女の子を邪険にしていた鬼作の心も、次第に溶けてゆき……。

不思議な女の子の正体は、生まれるはずだった鬼作の妹です。もし母親が死なずに、妹も生きて育っていたら、鬼作は今頃……。つい、そんなことを考えてしまいました。

2年目の秋、姿の見えない女の子を捜しに出た鬼作は、河で溺れている女の子を発見します。泳げないのに河へ飛び込み、必死に女の子を助ける鬼作。なんとか女の子を岸へ戻した鬼作は、溺れて意識を失ってしまいました。河から引き上げられた鬼作の体を囲む野次馬たち。やがて野次馬は一人減り、二人減り……最後に女の子だけが残りました。目を覚ました鬼作は、女の子と手を繋ぎ、何処かへ続く道をゆっくりと歩いていきます。

「足下がフワフワして走りにくいんだよぉ」 女の子と手を繋いで歩いていく鬼作の台詞。鬼作の“状態”を示しているのは、この台詞だけです。くどくど説明していないところが良いのですね。そしてエンドロールへ。夕暮れの河原を走る自転車。女の子を乗せて自転車を漕ぐ鬼作のシルエット。[二つの魂を乗せた自転車は、やがて天へと昇っていく……。

このラストを見ることができただけでも、『鬼作』をプレイして良かったと思っています。
(2001年)


【対象】18禁 【プレイ時間】10時間 【価格】9800円 【発売日】2001年3月30日

【HP】「エルフ」 http://www.elf-game.co.jp/



このページでは「エルフ」製品の画像を引用しています
これらの画像を個人で楽しみたい方は(株)エルフのホームページから取得してください