- 商業ゲームレビュー -  │HOME商業18禁(1)


Quartett!

総評:5
★★★★★☆☆☆☆☆
見習い楽器職人のフィル・ユンハースは、クリスマス・ミサで急病の祖父の代理としてバイオリンを弾き、マグノリア音楽院の講師クラリサに才能を見出される。クラリサにスカウトされ音楽院へ編入したフィルは、三人の少女のいるカルテットに参加することに。


「ようこそ、わたしたちのカルテットへ!」


(c)Littlewitch Inc

マグノリア音楽院を舞台とした恋と音楽と友情の物語。前作『白詰草話』で話題になった「フローティング・フレーム・ディレクター(FFD)」を採用されています。Littlewitchを代表する画期的なシステム「FFD」。コマ絵とフキダシによる漫画のような形式ですが、ただの漫画と大きく異なる点は動きまくりの動的演出です。次々とフレームが切り替わり、流れ、常に何らかの動きがあるため、画面から目を離せません。ひとつひとつのコマ絵が新規に描き起こされ、膨大な枚数のCGが贅沢に使用されています。

二ヵ月後の音楽祭で催される「マグノリア・カルテット・コンクール」は、若手演奏家の登竜門。優勝チームには大きな名誉が与えられます。フィルたちも夢や希望を胸にコンクールを目指す──わけですが、何の苦労も確執も無くアッサリ本選へ到達してしまい、拍子抜けでした。このようなシナリオでは通常、カルテット達が演奏の中で ぶつかり合い、悩みながら絆を深め、その過程で主人公とヒロインも徐々に惹かれ合っていく……というものではないでしょうか? 本作では そうした部分がスッポリ抜け落ちているため、コンクール出場の感動もほとんどありませんし、「音楽を通じて得た大切な仲間」というのもピンときませんし、主人公がいつの間にヒロインを好きになったのかもサッパリ解りません。また、シーンが細切れでストーリーに連続性がありません。唐突にブツッと切れては次のシーンへ移る繰り返し。断片的なシーンばかりで、なんだかダイジェストを見せられているような印象でした。ヒロインたちの悩み解決もお手軽で、あまり中身の無い浅いシナリオです。

カルテットを題材とした作品だけあって音楽には力が入っており、弦楽四重奏も含めた楽曲の数々はゲームミュージックとしては素晴らしい出来映え。作中の弦楽四重奏は弦楽団によって実際に演奏されており、製作陣のこだわりが垣間見えます。FFDの鮮やかな演出、スタイリッシュなデザイン、洗練されたインターフェースは一見の価値あり。それでいて動作が軽く、快適にプレイできるのも有り難い。グラフィック、システム、サウンド、いずれも非常に良いだけに、シナリオの薄さが残念です。
(2004年5月21日)


【ジャンル】ADV 【対象】18禁 【プレイ時間】3時間 【総プレイ時間】5時間 【価格】8800円 【発売日】2004/4/23 【備考】WEB体験版あり(77.2MB) 【参考】ピックアップ投票結果

【HP】「Littlewitch」 http://www.littlewitch.co.jp/



このページでは、一部「Quartett!」(c)Littlewitch Inc の素材を引用、掲載しています。
これらの素材の転載はご遠慮ください。