Heavenly Blue
総評:6
★★★★★★☆☆☆☆
システム:6│シナリオ:6│グラフィック:6│サウンド:5
大学二年の夏休み。高村弘人は叔父のバイトの紹介で、ある島を舞台としたミステリーツアーにモニターとして参加する。ツアーの目的は島の旧家に遺産相続候補として赴き、島と館の秘密を探ること。島で出会う様々な「登場人物」。周到に用意されたゲーム。どこからどこまでがゲームなのか……?
概要
| 対象年齢 |
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18禁 |
| 価格 |
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2000円 |
| 動作OS |
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Windows95/98/2000/Me/XP |
| 頒布日 |
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2003年1月12日 |
| パッケージ |
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DVDトールパッケージ |
| ブックレット |
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無し / 取扱説明書(カラーペーパー) |
| プレイ時間 |
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3〜4時間 |
| 総プレイ時間 |
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15〜17時間 |
| ツール |
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吉里吉里 |
| セーブ |
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20個、随時セーブ・ロード可能 |
| 画面 |
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ウィンドウモード(640 * 480) |
| スキップ |
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メニュー「次の選択肢/未読まで進む」 |
| エンディング |
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22種類 |
| スチル |
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約150枚 (差分除く) |
| 背景 |
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自作&フリー素材 |
| 音楽 |
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フリー素材 |
| おまけ |
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キャラクター紹介、CGギャラリー、シナリオ回想、エンディングリスト |
| 備考 |
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フリー体験版あり |
システム
伝奇ミステリービジュアルノベル。プロローグで叔父に五人の「登場人物」を紹介され、その中からキーパーソンを一人選びます。ここで選んだキャラによって本編から独自のシナリオが展開しますので、最初から攻略キャラを一人に絞ってプレイすることになります。一人に集中すれば良いだけですので、攻略も簡単。普通にセーブ&ロードしつつプレイすれば、全エンディングを見るのはさほど難しくありません。最初に攻略できるのは大和、宗一郎、夏生の三人。三人をクリアした後に鷺沼を攻略できるようになり、鷺沼をクリアした後に久世を攻略できるようになります。
シナリオ回想にて、ゲーム内で見た全てのシーンを観賞可能。選択肢の細かい分岐も含めて回想を完備している作品は、なかなか無いですね。これに関しては、とても助かりました。その他のシステムまわりも、特に不便はありません。あえて言えば、インターフェースが素っ気なくて物足りない。
シナリオ
ミステリーツアーの舞台は、山陽地方近海にある八重垣島。その島の古い血族「八重津」が次の相続人を探しています。現在の当主には遺産を相続するための子供も近親者もおらず、仕方なく本土にいる遠縁を頼ることになりました。それが今回の参加者、弘人です。ツアーの期間は五日間。島では12年に一度の大祭が近付いています。単なるバイトのモニターとしてやって来たはずの島で起こる、数々の不可解な出来事。弘人はいつしか、八重津一族の伝説をめぐる数奇な運命に巻き込まれることに……?
弘人の前に現れる五人の登場人物。もう一人の遺産相続候補「都築大和」、館の幼い主人「八重津宗一郎」、冷静な執事「鷺沼俊介」、メイドの少女(?)「木下夏生」、温厚な村医者「久世桂輔」。彼らは皆、それぞれの思惑で行動しています。一人一人攻略していくことによって新たな事実が明らかになってゆき、全員をクリアして初めて物語の全貌が見える仕組みになっています。
これらのピースをひとつひとつ埋めていく作業が面白く、やり込み甲斐がありました。各エンディングは、やや呆気ないかもしれません。
シナリオとして一番面白かったのは、大和ルートでしょうか。大和と競いながら島の秘密を探り、徐々に真相に近付いていく流れは自然で、突飛な設定にも入り込みやすかったです。他の初期攻略キャラ二人のシナリオがすぐに「伝説」「怪奇」へシフトしてしまうのに対し、大和シナリオでは「ミステリーツアー」としての部分をじっくり楽しめました。他のシナリオでは見られないギャグも多く盛り込まれ、ボリュームがあります。鷺沼キッスは笑った。いい加減で軽薄そうに見えて、何を考えているのか判らない大和。彼を信じて良いのかどうか最後の最後まで迷い、緊迫感のあるシナリオでした。
個人的に萌えたのは、鷺沼シナリオ。一年前に体験版をプレイした時点では、まさか彼がこんなに純情で不器用で可愛い人だとは思いもよりませんでした。[過去の世界]で[少年]の鷺沼が無人の部屋に蝋燭と小さな時計を置いていく場面は、優しくて心に残ります。大和、宗一郎、夏生にもそれぞれ切ない純愛シナリオが用意されており、キュンときました。そんな中、ただ一人鬼畜を貫く久世は異彩を放っております。ものすごいことを散々やった後で、妙に爽やかな久世グッドエンドも恐ろしい。
五人全てのグッドエンドを見ると、タイトル画面の「???」が「すぺしゃる」に変わり、五分程度のおまけシナリオを見ることができます。全員集合のギャグ満載シナリオで、にぎやかで楽しい。写真を撮るたびに目をつぶってしまう鷺沼が可愛すぎる。コンプリートするまで何度かダレることもありましたが、最後の全員集合写真を見ると、頑張って攻略して良かったと思えました。
グラフィック
三人で原画を担当されており、キャラクターによって絵柄がかなり異なります。個人的にはプレイしているうちに慣れましたが、違和感があることは確かですので、慣れない人は最後まで慣れないかもしれません。スチルや立ち絵のパターンは豊富です。
気になったのは、以前の体験版で使われていたスチルが本作でも強引に使用されており、その結果、一部のシナリオに無理が生じていること。中でも夏生が初期設定の召使少年の姿で雨に打たれるスチルが入っていたのは、さすがにどうかと思いました。夏生がメイドに変更になった今となっては、このスチルを使用する意味は全くありませんし、前後のシナリオも取って付けたようで不自然そのもの。没になったCGが勿体無い場合は、無理やりゲームに入れずに、オマケなどで公開してみてはどうでしょうか。
H
主人公の弘人が総受け。夏生ルートに限り、リバ有り。陵辱多し。ただし、夏生や鷺沼が弘人を襲うのは[操られていて正気ではない為]だったりします。互いに合意の上でエッチをするのは大和だけ。宗一郎とのエッチは無く、代わりに宗一郎シナリオでは久世が頑張っております。久世はさらに大和ルートや夏生ルートにも出張っており、そちら方面で大活躍。
大和編 … 大和×弘人 (和)(強)
宗一郎編 … 久世×弘人 (強)
夏生編 … 夏生×弘人、弘人×夏生、久世×夏生 (強)
鷺沼編 … 鷺沼×弘人 (強)
久世編 … 久世×弘人 (強)(強)(強)
大和以外すべて強姦というのも なかなか凄いですが、ゲーム後半は緊迫した状況ですので、ゆっくり愛あるエッチを出来ないのは仕方ないのかもしれません。
キャラクター
| 高村 弘人 |
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好奇心旺盛な大学二年生。叔父のバイトの紹介で、八重垣島に遺産相続候補として向かう。島へ向かう二週間前、誰かに呼ばれるような不思議な声を聞く。 |
| 都築 大和 |
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もう一人の遺産相続候補。関西在住の高校二年生。軽薄でいい加減そうに見えて、油断がならないところも。[十年前に交通事故で両親を亡くし、ひと夏の間だけ弘人の祖父の屋敷に預けられた。祖父の遺志を受け継ぎ、山の神を討つために島へ赴く。] |
| 八重津 宗一郎 |
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館の謎多き主人。幼い頃から外界との接触を一切絶っている。水上を歩いたり空間を移動したりする不思議な能力を見せる。[山の神の魂を宿す憑代として、限られた永遠を生きる。] |
| 木下 夏生 |
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館に住み込みで働いているメイドの少女(?)。昔、行方不明になって浜に倒れていたことがあり、「海に魅入られた子」と呼ばれている。[十二年に一度の爪籠祭で「海の神の巫女」を務める。] |
| 鷺沼 俊介 |
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館の一切を取り仕切る執事。慇懃無礼で淡白な青年。[憑代と共に限られた永遠を生きる「橘」。契約を交わした主人に絶対服従する。] |
| 久世 桂輔 |
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宗一郎の主治医。島の診療所に勤める温厚な医師。島と館の秘密に詳しく、弘人に意味深な接触を図ってくる。[永遠の命を憎み、山の神に関わる全てを破壊しようとする。] |
総評
シナリオの一部やラスト付近にご都合主義な部分もありますが、全体的には綺麗にまとまっています。キャラクターも魅力的で、伝奇としてもボーイズラブとしても楽しめました。BL同人ゲームの入門に良いかもしれません。
(2003年1月29日)