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浄火の紋章

総評:7
★★★★★★★☆☆☆
システム:5│シナリオ:8│グラフィック:8│サウンド:6
第三次世界大戦後、わずかに生き残った人類は、戦争の根源である人間の感情を抑制する薬「プロジウム」を開発した。人々は毎日薬の投与を義務づけられ、感情の発露を促す書物・絵画・音楽などは禁じられた。違反者を取り締まるグラマトン・クラリックであるベルナードは、相棒のティレリ捜査官と共に遺棄地区倉庫のレジスタンス掃討作戦を遂行する。



我 が 手 に 執 る は 断 罪 の 鋼

男絵ばかりモテるエロゲ原画師と戦闘ばかりウケるエロゲ脚本家が
いま熱き想いをガン=カタに託す!


概要
シナリオ - 虚淵玄
CG - 中央東口
対象年齢 - 全年齢
価格 - 1500円
動作OS - Windows98/Me/2000/XP
頒布日 - 2003年7月25日
パッケージ - CDケース
ブックレット - 無し
プレイ時間 - 1時間半
総プレイ時間 - 同上
容量 - 約80MB
ツール - NScripter
セーブ - 9個
画面 - 800×640
スキップ - Ctrlキー長押しのみ
エンディング - 1種類
スチル - 28枚
背景 - 写真加工
音楽 - 12曲?(不明)


批評
クラリックとして聖職につくメルヴィン・ベルナードは、相棒のバーソロミュー・ティレリと共に、倉庫に立てこもるレジスタンス勢を一掃する。普段と何ら変わらない職務のはずだったが、その日ベルナードは見てしまった。最後の一人を処刑するとき、ティレリ捜査官が “笑って” いたのを……。情動抑制剤「プロジウム」の投与は全てのリブリア市民の義務であり、法の代行者たる聖職者がそれを怠ることは許されない。かつてベルナードが新人の頃の導師であり、今は相棒でもあるバーソロミュー・ティレリ。長年生死を共にしてきた彼を疑うことに悩むベルナードは、事の真偽を確かめようとする──。


ニトロプラスの虚淵玄氏と中央東口氏による映画『リベリオン』のアナザーストーリー。選択肢は無く、一本道のビジュアルノベル。オリジナルキャラによるオリジナルストーリーですので、特に『リベリオン』を知らなくても楽しめるでしょう。

冒頭からレジスタンス掃討作戦が始まり、一気に戦闘シーンへ突入します。思考訓練と連携パターンの研究により、状況認識パターンを完全に合一できるベルナードとティレリ。総勢50名以上のレジスタンスの銃弾を「ガン=カタ」理論によってかわしながら、二人は軽やかに処刑を執行していきます。ベルナードとティレリが互いに置く全幅の信頼、流れるような一連の動き、二人の織り成す華麗な“デュオ”。ベルナードの一人称による文章の硬質さと緻密で繊細な戦闘描写は、ただ美しい。二人の絆とガン=カタの美しさを存分に魅せられた後で、ストーリーは動き始めます。

登場人物は、ほぼベルナードとティレリの二人だけ。約一時間半、二人の濃密な関係がみっちりがっつり描かれています。“デュオ” における完璧なコンビネーションからティレリへの疑惑へと転じ、そして監禁。ティレリに監禁されたベルナードが苦しみながら次第に弱っていく様は、全年齢対象とは思えない いかがわしさ。ストイックに見せかけて、そこらのエロゲーやボーイズラブよりも よほどアレかと思われる熱きガン=カタストーリー。

「私はあなたに汚された。最悪の辱めを受けた。……償ってもらうぞ、バーソロミュー・ティレリ」

とりもあえずガン=カタ、何はなくともガン=カタといった風情で、ひたすら戦闘が熱い。独自のガン=カタ解釈も面白く、虚淵節を存分に味わえます。ただ、分岐も無く一時間半程度で全て読み終わってしまう短さで、ボリューム不足は否めません。上質な短編であることは確かですので、一応ニトロファン以外にもお薦め。ちなみにクリア後、「画像閲覧」の空いているスペースをクリックすると、「あとがき」と少女クラリックのイラストを見ることができます。

(2003年7月30日)


『浄火の紋章』 http://homepage3.nifty.com/DEGREE/kokuchi/kokuti.htm

【原作】『リベリオン』 【ジャンル】ビジュアルノベル(選択肢なし) 【参考】ピックアップ投票結果

【HP】「DEGREE」 http://homepage3.nifty.com/DEGREE/