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ABYSS-殺人クラブ- 幽ルート版

【HP】Festival 【対象】18禁 【ジャンル】サスペンスノベル 【プレイ時間】追加部分:3時間15分 【ツール】吉里吉里2/KAG3 【価格】税込735円(DLショップ価格) 【備考】C73頒布

互いにABYSSではないことを知った晶と幽は、協力関係を結ぶ。幽はABYSSと敵対する“プレイヤー”であり、今まで二つの学校でABYSSを潰していた。三つ目のこの学校をクリアすれば、幽は報酬を得ることができるという。怪しい呼び出しを受け、夜の学校にやって来た晶と幽。そこへ現れたのは、虚ろな目の佐倉那美だった……。

今回の幽ルートはプレイヤー対ABYSSに絞られているため、前回の温子ルートに比べるとシンプルな構成です。幽が仲間になったことで、ABYSSとプレイヤーの基本的なルールも把握できました。とはいえ、細かな謎や疑問は相変わらずちょこちょこと。プレイヤーの報酬に示される『次のゲーム』とは? 晶の父親の杜撰な隠蔽の理由は? アーチャーの立ち位置や役割は少し判ったものの、依然として正体は不明です。
タカツキリョウコ(仮)=幽ではなかったということで、ならばタカツキリョウコ(仮)の正体は?と考えると、幽の次に怪しかった聖先輩が有力候補に上がってきますね。今回のシナリオで見られた聖先輩のABYSS部長らしからぬ行動、聖先輩と鬼塚の信頼関係などは、タカツキパートのリョウコ(仮)と鬼塚を思わせます。
いかにも嘘くさい平和っぽい終わり方に、「この後くるぞくるぞ」と思っていたら、やはりエンドロール後に不幸なラストが。幽の兄を殺した「御堂の長兄」というのは晶の実家の兄でしょうけれど、二年前に晶が片山の兄や同級生を殺したのは事実っぽい。晶の殺人前後の記憶が無くなるのは初回体験版の時点から既に判っていたことですが、幽の存在そのものを記憶から消してしまったのは何故なのでしょう。幽を殺した記憶だけ消すのでは、何か不都合だったのか?
シナリオ以外で気になる点としては、立ち絵の幽とスチルの幽が別人のような。立ち絵では柔らかく丸みがあるのですが、スチルではやたらと細長く尖っていて、同一人物に見えません。
CGモードはルート毎に分けて掲載されていますが、序盤の共通部分のスチルを全てのルートで重複して載せているのは何なのでしょうか。かなり見難いので、やめてほしい。
前回の温子ルートが3時間半で500円、今回の幽ルートが3時間15分で700円。次回はさらに値上がりするのでしょうか。3時間程度の追加分でこれ以上値上がりされると、毎回買っている者としては厳しいものがあります。
(2008/3/20)


ABYSS-殺人クラブ- 温子ルート版

【HP】Festival 【対象】18禁 【ジャンル】サスペンスノベル 【プレイ時間】追加部分:3時間半 【ツール】吉里吉里2/KAG3 【価格】500円(DLショップ価格) 【備考】C72頒布

ABYSSに狙われていることを温子に打ち明けた晶は、温子と共にABYSSの調査へ乗り出す。温子の計らいで黒塚幽と和解した日、琴子と爽がABYSSに攫われた。晶と温子はゲームへの参加を余儀なくされるが、ゲームは思わぬ形で中断されることに……。

謎だらけの共通ルートが終わり、温子ルートで少しは謎が解けるかと思いきや、さらなる謎が増えまくり。偽・安藤有紀の正体は? 晶の学校にいる、もう一人の“プレイヤー”とは? ABYSSは晶の通う学校だけでなく各地に存在するようで、さらに一軍・二軍があるとのこと。事態はややこしくなる一方です。
共通ルートで犠牲者がほとんど出なくて油断していたぶん、今回の展開はなかなか辛かった。まさか爽が、あんな目に遭うなんて。なぜかオマケのようについでに犯されて殺されている皐月先生が哀れすぎる。あそこに皐月先生を入れる意味はあったのでしょうか。琴子の無惨な死は展開の一つとして予想していたことではありますが、実際に見るとヘコみますね。ラストも、かなりスッキリしない終わり方でした。
温子ルートということで、一応温子がヒロイン的位置にいるのですが、そのわりには温子の影が薄かったような。正直、温子よりも黒塚幽のほうが印象が強かった。ツンデレだったり、意外と間が抜けていたりして、黒塚さんは実はかなり可愛い人でした。まさか黒塚さんが、ここまで萌えキャラになろうとは(笑) 温子ルートなのに、温子の過去については何も判りませんでしたね。爽ルートに期待でしょうか。
未完成版とはいえ、一応単独で売っているわけですし、せめてCG鑑賞くらいは付けておいてほしい。
(2007/9/26)


国都の剣(コクトノケン) 道中編 α版

【HP】サカナ・ノベル 【ジャンル】痛快観光ファンタジー 【価格】200円 【プレイ時間】35分 【ツール】NScripter 【備考】C72頒布

立身出世を夢見て国都へ旅立つ剣士・酪算の観光ファンタジーノベル。前作『魔法少女サカナ』のヒロイン・サカナの故郷である「芯地」という異世界が本作の舞台となっています。α版の収録部分は、酪算が「蛇多谷」を出立して最初の街「身論港」で謎の女に会うあたりまで。
人情味のある温かなシナリオで和みました。名所旧跡を観光しながら、街の歴史やら特産品やら各国の情勢やらが語られ、架空の世界を地道に体験できるのが楽しい。
街ごとに全体を一望した街マップがあり、そこから各スポットへ移動する形式です。なんだか、この街マップが妙に可愛い。一目でどんな街か判るし、ちんまりしていてラブリー。
システム画面では、「記録」「回想」などのメニューが「包灯」「船柑」などの旅のアイテムで表示されており、これまたカワイイ。カーソルを合わせると、包灯の火が灯ったり、蜜柑が転がったりします。楽しくて、何度もカーソルを合わせまくってしまいました。タイトル画面やオマケ画面なども同じ仕様です。こんなところで旅の情緒を感じさせてくれるのが嬉しいですね。
ただ、システム画面を呼び出す際に多少時間がかかるのが気になります。ほんの1〜2秒ではあるのですが、システム画面のメニューは頻繁に使うので、瞬時に出てくれないと結構ストレスが溜まる。
(2007/9/5)


■妻陥落  総評:4 ★★★★☆☆☆☆☆☆

システム:5│シナリオ:4│グラフィック:6│サウンド:5

【HP】Autobahn(アウトバーン) 【対象】18禁 【ジャンル】ノベル 【プレイ時間】3時間 【価格】2000円(イベント価格)、2200円(ショップ価格) 【ツール】吉里吉里2/KAG3

今年41になる田村俊夫(名前変更可)には、他人に言えない欲望がある。それは、17年間連れ添った愛する妻の清美が自分以外の男に抱かれ蹂躙されてほしいという欲望。そんな変態的な欲望を心に秘めていたある日、初めて入ったバーで「キクチ」という男と知り合う。キクチは人妻ハントを副業にしている男だった。俊夫はキクチに清美の写真を見せ、彼女を誑かしてほしいと依頼する。清美が自分の妻であることは隠して……。

まず、看板に偽り有り。『妻陥落』というタイトルからすると、まるで貞淑な人妻をじわじわと堕としていく作品であるかのように思えますが、実際には清美はセフレとエッチしまくりの浮気常習犯で、会ったばかりのキクチとも即行でホテルへ行く淫乱妻なのでした。言うならば、本作の正しいタイトルは『妻陥落』。
シナリオ進行は単純で、清美のセックスデータ鑑賞と日常場面をひたすら交互に繰り返します。キクチから渡される清美の痴態データは、「音声のみ」 → 「バックから写メール」 → 「天井から隠し撮り」 → 「目隠しでハメ撮り」と次第にレベルアップしてゆき、最後には「マジックミラー越しに生で鑑賞」まで行き着くわけですが、清美はどのエッチでも常にテンションMAXでよがりまくりのため、結局どれも平坦で似たような印象でした。エロテキストは、かなり下品系。
清美ボイス担当の白井綾乃さんが上手すぎる。と思ったら、商業エロゲーに多数出演されている声優さんなのですね。彼女の良妻賢母な演技は一聴の価値あり。夫の前での貞淑な妻っぷりと、裏での淫乱馬鹿女っぷりのギャップが凄い。
キクチは最後まで、いいヤツでしたね。最後の彼の仕掛けには少し驚きました。キクチが主人公の正体に気付かないわけはないので、意外というほどでもないのですが、少しだけしんみりしてしまった。
ストーリー上、主人公と清美の修羅場は当然あるはずだと思っていましたが、そういった展開はありませんでした。これからも主人公は妻の浮気に知らぬふりをし続け、清美はあちこちで好き放題セックスしまくる様子。しまいには普通の浮気では満足できなくなり、とうとう○○に……というオチ。
結局、ストーリーらしいストーリーはほとんどありません。変態的な欲望に苦しむ夫。良妻の仮面をかぶり、完璧に夫を騙す妻。やりようによっては深い話になりそうな気がしますが、別にそうなるわけではないのが抜きゲーたる所以か。
3時間程度のボリュームで2000円は高すぎると思いますが、抜きゲーの相場ではどうなのでしょうか。
(2007/7/20)


ファントムリム 魔怪篇 上

【HP】九字 【ジャンル】伝奇ノベル(選択肢なし) 【価格】500円  【プレイ時間】3時間 【ツール】吉里吉里2/KAG3 【参考】『ファントムリム体験版』紹介

高校二年生の流崎錬治は、近頃しばしば記憶の欠落が起こる。仲の良い友人たちと平穏な学園生活を送っていた錬治の元へ、ある日、雪鬼姫と名乗る美しい魔怪が現れた。「囚われの身の錬治様をお助けにまいりました」
   
三部作予定の第一部上巻。秘められた力を持つ(らしい)主人公が魔怪と人間の闘争に巻き込まれる物語。今回の魔怪篇では主人公は魔怪サイドに付きますが、人間サイドに付くシナリオもあるのでしょうか。魔怪のメンバーが皆、非常に人間臭く個性的で楽しい。テンポの良いシナリオでサクサク読めます。主人公については、体験版では「なんつームカつく男だ」という感想でしたが、上巻の段階ではまだ保留。今のところ、主人公はひたすら状況に流されているだけですので、下巻に期待してみたいところ。
少々クセのある絵柄ですが、女性キャラはもちろん、男性キャラも色気があって良い。本作にはスチルはありませんが、立ち絵を使って演出を駆使されています。戦闘場面では立ち絵が縦横無尽に動いて目を奪われる一方で、鼠の大群がワサワサ出てきたり、氷の柱が砕けたり、画面に動きがあって華やか。遥拝殿で蛇帯が出てくる場面もゾクゾクしました。なかなか臨場感があって面白かった。こういう手法もアリですね。
また、大量の背景写真も特長。細かなワンシーンにも漏れなく写真が用意されており、シナリオに応じて次々と切り替わります。魔怪編上巻だけで何百枚あるのでしょうか。基本的に写真背景はあまり歓迎しませんが、ここまで豊富に揃っていると文句はありません。
思いっきり続きが気になるところで終わっており、下巻は夏発行予定。は、早く続きを……。
(2007/1/10)


キラークイーン  総評:5 ★★★★★☆☆☆☆☆

システム:4│シナリオ:5│グラフィック:5│サウンド:6

【HP】FLAT 【対象】18禁 【ジャンル】サスペンスADV(選択肢なし) 【価格】1890円(ショップ価格/税込)  【プレイ時間】5〜6時間 【総プレイ時間】10時間 【ツール】NScripter

御剣総一は学校帰りに拉致され、見知らぬ廃墟で目覚める。総一を含め、この施設には13人のプレイヤーが『ゲーム』のために集められていた。各人に与えられたものは爆弾の仕込まれた首輪とトランプを模したPDA。それぞれに提示された条件を72時間以内にクリアしなければ、首輪は爆発する。総一は、亡くなった恋人によく似ている少女・咲実と行動を共にすることに……。
  
バトルロワイアル風サバイバルゲーム。シナリオライターは『こなたよりかなたまで』の健速氏。フルボイス。ルールはバトルロワイアルからもう少し発展しており、各人の異なる首輪解除条件により、利害関係が発生します。そのような設定のため、さぞかし緊迫感のある心理戦や駆け引きが繰り広げられるのだろうと期待していましたが、そういったものはほとんどありませんでした。どうやらライターさんが書きたかったものは、そちら方面ではなかったようです。ついでに言っておくと、群像劇も期待しないほうが良い。ほぼ脇役A、脇役Bの群れ。少し特殊な状況下の主人公とヒロインのラブストーリーくらいに思っておけば、ちょうど良いかも。
「episode1 Killer Queen」「episode2 And There Were None」の二つのルートがあり、episode1のクリア後にepisode2をプレイできます。
episode1は正統派ヒロイン・咲実の表ルート。終盤で咲実が総一を糾弾する場面は爽快でした。音楽と声優さんの熱演も相まって、なかなか感動してしまった。山場の盛り上げ方は上手いですね。ただ、その後、主催者側が主人公の都合の良いように動きすぎでは。
episode2は幼女ヒロイン・優希の裏ルート。「And There Were None(そして誰もいなくなった)」というタイトルの通り、正体不明の殺人鬼に皆が次々と殺されていきます。初っ端からいきなり表ヒロインの咲実が死んでいたりして、わりとショッキングな展開ですが、犯人の正体はお約束ですので、序盤の段階で予想できるユーザーも多いでしょう。ラスト近くで犯人がいきなり改心したのは唐突すぎて付いていけませんでした。安直なハッピーエンドにげんなり。
全体的には可もなく不可もなく、無難にまとまっています。ご都合主義も目立ちますが、とりあえず体裁は整っていました。後は個人の好みでしょう。おまけシナリオのキャラ座談会は、男性陣のほうも見たかった。
(2006/9/7)