- 同人ゲームミニレビュー:一般向・男性向(3) -  │HOMEシェアレビューTOP


Petit Fleur 〜風吹く街のメロディ〜  総評:4 ★★★★☆☆☆☆☆☆

システム:5│シナリオ:4│グラフィック:5│サウンド:5

【HP】BLACK BOX  【価格】800円  【プレイ時間】1時間半〜2時間 【ツール】NScripter

メルヘンビジュアルノベル。風車の街に住む少女ミズキと旅人の青年の小さな恋の物語。古いモノクロ映画風の画面で、カタカタ回るフィルムやチラつく映像など、それらしく演出されています。あまり長時間見たいものでもありませんが、試みとしては面白い。シナリオは絵本風の語り口調で、「そうして、ダンデとミズキはどんどん仲良くなっていきました」という風に、ひたすらエピソード付きあらすじで進行します。街の人々はいい人ばかりで、皆が互いを思いやり、暖かさにあふれている。そんなハートフルストーリーを目指して作られたようです。ただ、キャラクターもストーリーもとことん類型的で、あまり心に届くものはありませんでした。
(2004/8/25)


茜の空に月をみる  総評:4 ★★★★☆☆☆☆☆☆

システム:5│シナリオ:4│グラフィック:5│サウンド:6

【HP】TABLET ONLINE 【対象】18禁 【価格】1800円(ショップ価格)  【プレイ時間】2時間 【総プレイ時間】10時間 【ツール】吉里吉里2/KAG3

伝奇ビジュアルノベル。7人のヒロインが登場します。春夏秋冬の衣装替えの他、浴衣・水着・ゴスロリ・バーテンなど様々なお着替えがあり、目に楽しい。大学生の主人公・和也の身体に憑いている穢(けがれ)をめぐり、古の神々が戦ったりするわけですが、文章があまり上手くはなく、読んでいて辛い。ストーリーの展開も取って付けたようで、上滑りしています。日常の会話やイベントなどはそれほど悪くはなかったので、もし普通の恋愛アドベンチャーなら、そこそこの出来だったかも。
(2004/5/16)


刻無 零  総評:3 ★★★☆☆☆☆☆☆☆

システム:3│シナリオ:3│グラフィック:6│サウンド:6

【HP】熱血家 【価格】1600円(ショップ価格)  【プレイ時間】12時間 【ツール】吉里吉里2/KAG3

伝奇ホラービジュアルノベル。本編『刻無』(開発中)の序章。町の廃墟で不思議な紅い指輪を発見した主人公は、大きな事件に巻き込まれていくことに。
可愛らしい絵で、立ち絵の種類も豊富です。女の子たちの服装が毎日変わるのは嬉しい。ただ、装飾だらけでゴテゴテした長ったらしい文章が凶悪で、まともに読めませんでした。一文一文がいちいち長く、主語も述語もごちゃごちゃになっています。修飾語が多すぎて、何がどこに掛かっているのかも判別し難い。読点の位置もおかしい。「いらぬお世話を抱いてしまう」「つい冗談が滑って」など、日本語も変。文字が小さいことも、読みにくさを助長しています。また、演出・SEなどを飛ばすことが出来ません。長いセミの鳴き声などを何度も何度も最後まで聞かされるのは辛かった。セーブ・ロードもかなり前のシーンまで戻されてしまうので不便です。ひたすら冗長なストーリーで、読み進めるのが苦痛でした。
(2004/8/27)


夢剣-Sword of the Dimacreation-  総評:3 ★★★☆☆☆☆☆☆☆

システム:3│シナリオ:4│グラフィック:5│サウンド:5

【HP】因果堂Type-I.G. 【価格】2000円 【プレイ時間】3〜4時間 【総プレイ時間】15〜16時間 【ツール】NScripter

ファンタジービジュアルノベル。夢をコントロールして世界に干渉する能力を持つ主人公・夢人と、彼と同じく人ならざる能力を持つ「異能」の少年少女たちの物語。ギャルゲーでお約束のヒロインの変な口癖と寒いギャグが常備されています。4本のシナリオがありますが、どのルートも単調な日常と単調な戦闘を延々繰り返すだけで芸がありません。主人公が戦闘中に「Kill monster!」「Here is my world!」など(全角で)口走るのも脱力。画面の端ギリギリまで文字が詰め込まれていて、読みにくい。
(2004/5/16)


Piece Of Wonder  総評:3 ★★★☆☆☆☆☆☆☆

システム:3│シナリオ:4│グラフィック:5│サウンド:6

【HP】STUDIO CrossFire 【価格】2000円  【プレイ時間】2〜3時間 【総プレイ時間】10時間

恋愛ADV+戦闘SLG。女性キャラのみフルボイス。ヒロインたちと学園生活を送るアドベンチャーパート、進化生命体「エボリューション」と闘うシミュレーションパートがあります。APを消費して行動する戦闘システム、成長ポイントの割り振りによるキャラの育成など、シミュレーション部分はそれなりに面白い。各シーンで主人公の一人称になったり、ヒロインの一人称になったりと視点が目まぐるしく変わり、読み難い。視点を変更しまくる必要性を感じません。また、“翔子「〜〜〜」”など、台詞の前にキャラ名を表示するのはゲームではよくある形式ですが、『優しい目の男性』『おっとりした少女』などの形容詞までいちいち台詞の前に付くのは、さすがに鬱陶しい。『優しい目の男性』=『僕』というのも妙で、『僕』から見た視点の一人称と、『僕』を外側から見た視点である『優しい目の男性』という呼称が同時に使われているのはチグハグです。ストーリー展開も唐突で、随所で違和感のあるテキストでした。
(2004/8/25)


Fake / ever since  総評:3 ★★★☆☆☆☆☆☆☆

システム:5│シナリオ:3│グラフィック:4│サウンド:7

【HP】少女病 【価格】1500円(頒布価格)  【プレイ時間】1時間 【ツール】吉里吉里

『Fate/stay night』ADV。聖杯戦争後の日常を描いた短編。音楽はオリジナル4曲、原作のアレンジ4曲、挿入歌(ショート&フル)とエンディングテーマがあり、全11曲。セイバー中心のシナリオに凛・桜・イリヤ・藤ねえが少し絡みます。アーチャーは士郎の回想とクリア後のおまけに少し出てくる程度。それっぽいモノローグで飾っているだけの薄いシナリオで、内容はほとんどありませんでした。音楽は良く出来ていますが、シナリオが追いついていないので、かえって浮いています。背景のフリー素材画像も、場面と素材が合っていません。この短さと内容で、この値段は高い。
(2004/8/25)


オマケ・ノベル04 「ちこくちこく〜」特集

【HP】オマケ・ノベル04告知 【価格】冊子:400円、CDR:200円

同人ゲームサークルのシナリオライターさん達による小説誌。冊子版とCDR版(PDFデータ入り)があります。「ちこくちこく〜」特集号ということで、全ての作品が「ちこくちこく〜」という台詞から始まるユニークな短編集。(以下、あらすじはオマケ・ノベル告知ページより引用)
 
『残像の街』 川獺右端(かわうそうータン) 画:ハラ
左目で幽霊を見ることができる高校生充蔵。遅刻少女の事故死に隠された真実とは? 残像視ホラーサスペンス。
サカナ・ノベル http://www.sakananovel.com/
結局、ストーカー少女の正体は判らないままで、充蔵はこれからも私生活の全てをストーカー少女に見守られ続けるわけですね。ストーカー少女の愛は不滅なのか? 「やっぱりこいつ怖ええっ!」とか言いつつ、なんだかんだでストーカー少女に慣れてきてほだされてしまう充蔵少年の未来図が見えるような(笑)

『相対的母子論』 砥石大樹 画:神在月K
天才早熟少女つなみと天然お母さんのママりんが有明で起こすタイムマシン騒動。ハートフルタイムトリックコメディ。
べにたぬき http://benit.jp/
え? だって、あのハンカチは……あれ? と、いい感じに煙に巻いてくれるラスト。タイムトラベル系では王道のオチですね。小学生の津名美の容赦ない罵倒っぷりと、ボケボケでダメダメなママりんの凸凹親子が楽しい。個性のある楽しいキャラクター、そつの無いシナリオという点で、今回の短編と『幻想のアヴァタール』で受けた印象は、ほぼ同じです。

『終わらない放課後でまた逢いましょう』 秋山真琴 画:遊歩
奴が世界をデペイゼしたんだ! 再構築された異界を走る少女キリン。世界は何故デペイゼされたのか! 脅威のループループゲーム風小説。
雲上回廊 http://kairou.com/
前半はゲーム攻略風、後半は真相究明。「遅刻遅刻〜」のフレーズの繰り返しでループ世界の積み重ねが端的に書かれており、テンポ良く進みます。あっさりしたライトな仕上がり。

『走れメロ子』 チャー 画:シルドラ
同人ノベル界の鬼才が文豪に喧嘩を売ったっ! 「王様っ! お前だけはゆるせないっ!」 メロ子の怒りが炸裂する! 馬鹿迎合礼賛エスプリ小説の決定版。
機械式少女 http://mechanical-girl.web.infoseek.co.jp/
言いたいことは解るのですが、直接的というか捻りが無いというか、そのまんまですね。加工前の商品が剥き出しで店先に並んでいるような。身内間で回し読みする程度なら、こんなのでも良いかもしれませんが、不特定多数の読者に読ませるようなものではないと思いました。今回、個人的に一番楽しみにしていたのがチャーさんの短編だったのですが、どうやらチャーさんは長編向きのライターさんのようですね。

『皺』 ナカオボウシ 画:かわうそうータン
ちこくちこくと老人は美しい笑顔で走った。偽善の塊の男。善意の化身のような妻。愛欲と欺瞞と憎悪がオーバル型ナースステーションで爆発する。遅刻型ダークネオロマンス。
CircleTempo http://www.circletempo.net/
「遅刻、遅刻〜」とナースステーションの周りを走り続ける痴呆症の老人と、それを苦々しげに見つめる息子。この短編集の中で、唯一「ちこくちこく〜」を真っ向からテーマに取り入れた作品でした。

『薄れゆく心』 樹原新 画:きら太
「特に不満は無いの、でも別れましょう」志保は俺にそう言った。緩やかに流れる時間。リアルな心の流れ。そして、俺は……。実力派が描き出す都会派同棲型ラブロマンス。
The SOTS http://www.sots.jp/
散々言い古されている恋愛論を、そのまま語っているだけ。特に奇をてらう必要はありませんが、「だから何」と言いたくなるほど内容が無いのも困る。

『カマクラ町のヨシロウ』 森皿尚行  画:九重隷次
「犬は可愛いよな」悪の組織の首領クラーケン博士はそう言って僕の頭を撫でる。クラーケン博士は女子で僕の同級生だ。カマクラの街を舞台に起こる悪の秘密結社の大騒動。宴会型スーパーヒーロー桜仮面の出番だ! スーパーライトノベル。
debris official web site [debris asterisk] http://sarabapass.com/
秘密結社「わんわん☆こよーて組」の美少女首領・クラーケン博士により、犬洗脳を受けてしまった義朗くん。おかげでクラーケン博士に頭を撫でられる度に快感に喘いでしまう、いやらしい子になってしまいました。クラーケン博士に嬲られながら、どんどんカラダを開発されていく義朗くん。もう普通の男の子には戻れない! 義朗くんの明日はどっちだ!? というお話(嘘は吐いてません)。クセが強いので、人によって好き嫌いは分かれそうですが、ライトノベルらしいライトノベルです。
(2007/1/16)