お ぎ ち ん
〜第一回荻上がふたなりだったらどうするか会議〜
総評:5
★★★★★☆☆☆☆☆
システム:4│シナリオ:5│グラフィック:7│サウンド:5
椎応大学現代視覚文化研究会──通称「現視研(げんしけん)」では、現在白熱したミーティングが繰り広げられていた。コミックフェスティバル(通称コミフェス)に向けて同人誌を作ろうと企画したものの、当初に予定していた締切りを過ぎても全く原稿が出来ていないのである。罵り合う笹原と久我山を一喝し、咲は「7月30日までに10ページの漫画を描きなさい」と宣告する。締切りまで、あと5日。果たして現視研メンバーは同人誌を完成させることが出来るのか?
概要
| 対象年齢 |
- |
18禁 |
| 価格 |
- |
1500円 |
| 動作OS |
- |
Windows98/Me/2000/XP日本語版 |
| 頒布日 |
- |
2005年8月14日 |
| パッケージ |
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DVDトールパッケージ |
| ブックレット |
- |
無し |
| プレイ時間 |
- |
1時間半 |
| 総プレイ時間 |
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4〜5時間 |
| ツール |
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LiveMaker |
| セーブ |
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30個 |
| 画面 |
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800×600 |
| スキップ |
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既読スキップのみ |
| エンディング |
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7種類 |
| スチル |
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55枚(差分含む) |
| おまけ |
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GALLERY |
システム
『げんしけん』荻上ふたなり同人誌制作ADV。荻上を操作して、現視研の皆と協力しながら「くじびきアンバランス」(通称くじアン)の同人誌を作りましょう。期間は締切りの7月30日までの6日間。締切りを過ぎると8月5日まで延ばすことが出来るので、実質11日間。荻上の行動パターンは「修羅場(久我山宅)」「気分転換(部室)」「現実逃避(自宅・街)」の3つ。朝・昼・夜に行動を選択し、それぞれの移動先でイベントが発生します。
ツールはLiveMakerなので、やや不便。エンディングリストなし。Hシーンの回想なし。CGをコンプリートしてもCGモードが100%にならないバグあり。(後日、修正パッチ追加)
シナリオ
漫画描き経験のある荻上、責任者の笹原、絵担当の久我山の3人が中心になって、同人誌を作ります。台割からプロット、ネーム、下描き、仕上げと順を追って作業していくわけですが、一つ一つの工程が具体的に書かれていて、なかなか興味深い。初心者の笹原に荻上がプロットのアドバイスをしたり、線のクリンナップについて教えたりと、同人誌制作講座のような趣きもあります。同人誌制作に携わる荻上の気持ち、絵を描けない笹原の悩み、それらを見守りサポートする斑目たちの様子などが意外と真面目に描かれており、共感する部分もありました。シナリオ自体は上手いというわけではないのですが、そういったことをきちんと書こうとしている姿勢に好感が持てました。
斑目はムードメーカーとして使い勝手が良いのか、よく登場します。荻上と部室で二人きりになった斑目が、間がもたなくて特撮オタトークを炸裂させたり、素直になれない荻上にアイスを奢ってくれたり、斑目&荻上コンビが何気に可愛い。他にも久我山が朽木をからかって遊んだりして、原作には無い一風変わった組み合わせを楽しめました。咲に対する斑目の微妙な気持ちを描いたイベントもあり、少し切なくなったりも。斑目&咲のイベントをもう少し突っ込んでほしかった気がしますが、これは荻上メインのゲームですので、仕方ないのでしょうか。
ミートパイを差し入れた田中に斑目が「『君色の永遠』ネタか!」と突っ込んだり、朽木のクトゥルフネタに反応した荻上が倉本菫の『魔界三国志』を読んでいたことを暴露してしまったり、ガンガルファーストの「若さゆえの過ち」ネタで盛り上がったりと、オタクネタも満載。彼らのやりとりや反応が自然で、げんしけんならではのユルくてまったりした独特の空気がしっかり再現されています。
攻略対象は純愛担当の笹原と、鬼畜担当の大野。パニックになった荻上をなだめながら、幼い頃の妹を思い出す笹原。そして荻上を女の子だと意識するようになって……という笹原シナリオの流れは、違和感なく読めました。荻上にさりげなく気を配ってくれる優しさも、笹原らしくて和む。ただ、恋心に至るまでのイベントが少なく、告白とエッチの唐突感は拭えませんでした。二人の心が近付いていく過程を、もう少し丁寧に描いて欲しかった。
本作の最大の特徴である「荻上がふたなり」な件については、こういうジャンルだとしか言いようがないような。既存のキャラにあるはずのないものが付いているので、当然違和感はありまくりですし、そのことについて悩んだり落ち込んだりしている荻上は、原作とは完全に別次元のキャラです。それを容認できるかどうかは人それぞれでしょう。荻上のイチモツを大野さんに挿入したり、しごかれたり、しゃぶられたりしていますが、エッチ自体は特にハードでもなく、普通です。
グラフィック
かなり原作の絵に似せられているので、げんしけんファンには嬉しい。立ち絵のポーズは一種類のみですが、表情の変化はなかなか豊富です。荻上のジト目や「あうう」の顔、笹原の赤面顔、朽木のとぼけ顔など、原作の絵の特徴をよく掴んでいます。スチルとは別に、ケーキやゲームソフトなどの小物、ハラグーロのアップなどのカットもイベント毎に挿入され、画面に変化があって楽しめました。
サウンド
BGMはフリー素材。どの曲もフリーゲームで散々聴いた曲ばかりで、少しうんざりします。必ず自作してくれとは言えませんが、シェア作品はフリー作品より良いものを提供してほしいと思ってしまう。フリー素材でも、あまり出回っていない曲を探すなど、少し工夫してみると良いのでは。
総評
「荻上ふたなりゲーム」と言うと、なんだか凄そうですが、現視研メンバーでユル〜くダベったり、真面目に同人誌を作ったりと、内容は案外まともです。荻上がふたなりで自慰をしたりセックスしたりしていることを除けば、至ってのほほんな「げんしけん」世界。よほどエロが嫌、ふたなりが嫌、荻上が嫌ということでなければ、げんしけんを好きな人なら楽しめるのでは。
(2005年8月21日)